ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

としあけ / 劇場版サンシャインの所感を添えて

年の変わり目って自分にとってはとても曖昧で、新年になっても暫くは年が明ける前の年を生きている感覚で居るけど、1ヶ月くらい経つと自然と今が新しい年であることを当たり前のように受け入れられるように毎年なってる。とても不思議だ。

いつもならこの時期は、こんな風に新年と旧年の間をふわふわしながら漂ってるのだけど、今年はなんと言うかもう「2019年、来たな!」という感覚が強い。余りにも鮮烈な幕開け。完全に劇場版ラブライブ!サンシャイン!!のせいなんですけどね。そんな訳で、劇場版サンシャインの第一印象でもササッと書いちゃおうかな。

めっちゃ良かった。最高のライブ・エンターテインメント・ムービーと銘打っていただけあって、最高に楽しくて、かつ面白かったという気持ちが一番強い。ライブシーンが何回かあったけど、一回一回終わる度に思わず拍手をしちゃいそうになるくらい凄かったし、劇中に入り込んでライブを見てるって感覚が少なからずあったように思う。

「今まであった事は、全部胸に残ってる。消えたりしない。だから、次の場所へ進んでも大丈夫」って話だったけど、とても前向きな話だっただけに、作品全体が深刻になり過ぎずに、至る所に笑顔になれる要素が散りばめられてたのが、個人的にはめっちゃ好きなポイントだった。てか、この答えが色んなアニメ・創作物・人に触れて、そこから受け取ったものを自分の一部として、胸に抱えながら生きていくっていう自分の生き方と重なりすぎて「まぁ、そゆことなんだよなぁ~~~!」という感じになってました。

劇場版ラブライブ(無印)の話を少しだけすると、あの作品を見た後って、すごく切なくなるんですよね。μ's がどこか手の届かない遠くへ行ってしまったような感覚になる。誰の手も届かない場所へ行くことで、永遠になる。いや、僕はその切なさが凄く好きだし、僕に遠くに行ってしまったと思わせる映像表現が大好きなんですけど。一方で、劇場版サンシャインはずっと続いていくという感覚が強くて。この映画を見たことが、自分の中にずっと残って、明日からも一緒に生きていけるって事に嬉しさを覚えました。

そう思えたのは、スクリーンの中のAqoursがとても身近な存在に思えたのが大きくて。たとえラブライブで優勝した一目を置かれる人達であろうとも、新しい場所に行くというのは沢山の不安が伴うってのが、自分と同じ人間って感じがして好きでした。僕は沼津でレンタサイクルをして、色んな風景を見て回ったことがあるんですけど、今度は逆にそこで見た景色達を背景にしてAqoursが出てきて、スクリーンに映った映像が現実の地続きな気がしてならないと言うか、沼津に行けば「本当に居る」んじゃないかと思ってしまうくらいでした。これは余談なんですけど、劇場版サンシャインを見る直前に、仮面ライダー平成ジェネレーションズの映画を見たんですけど、その内容が「現実とか虚構とか関係ない、誰かが覚えていてくれる限り、仮面ライダーは居る」というもので、そのせいで余計に沼津の風景をバックにして歌い踊るAqoursを見た時に「Aqours、居るやん…。」となったのが、謎の物語が生まれててめっちゃ良かったです。

まぁでも、やっぱり映画全体がコミカルさを失わずに、常に圧倒的な映像と音楽の力で、真正面からボコボコにされたのが最高に気持ち良かったです。追いかけるのが大変なくらい目まぐるしく変わる画面、展開、休む暇が無い、楽しすぎる、まるでジェットコースター。ライブシーンとか特にそうで、常に「ぎょえええええええ!!!!!」みたいな感じでした。特にSaint Snowとかヤバイ。僕がこういう事を言うのは烏滸がましいんですけど、めちゃくちゃ才能のある監督が絵コンテを切って、その監督が頭に思い描いた映像を、原画やCG等を使って高いレベルで実現できる、素晴らしい音楽家が曲を作って、音を入れるタイミングや音量にめっちゃ拘る音響監督が居る。勿論、これ以外にも沢山の人が関わってこの作品は出来てると思うんですけど、これが全部揃ってる作品になんて本当に中々出会えないんですよね…千載一遇。ありがとうございます、という気持ち。

最高の映像体験、エンターテインメントでした。理亞ちゃんが泣きながら砂浜走るシーンとか、花丸が「それでも現実は辛かった」と言うシーンとか、まぁ他にも色々なシーンでは辛くて泣いちゃったんだけど、でも流した涙の殆どは僕が圧倒的なアニメ体験をしてる時にだけ流れる自分てもよく分からないヤツでした。OPのライブシーン、仲見世商店街に居る人達の足の下を潜りながらカメラが中心に居るAqoursに辿り着くシーンとかめっちゃ好きで、ラブライブだけじゃなく、いつもそういうアニメのパワーを全身で感じれるシーンでは何故か泣いちゃうんですよね。でも最後のシーンとかはとてもスッキリしてて、凄く笑顔で、清々しい気持ちで劇場を後にしました。

そんな訳でこの辺で締めようと思います。僕にとってはめちゃくちゃ好きなエンターテインメント映画でした。相変わらず、サンシャインの作る映像は最強だったなぁ~。1週間くらい経ったら、また見に行こうかな~と思います。2019年も楽しんでいきましょう!