ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

サンシャインの映画を見てきた。(2回目)

2回目を見てきました。1回目を見終えた後、清々しい気持ちになったと前に書いたんですけど、今思えばそれは、鑑賞した後に舞台挨拶があって余韻に浸る時間が余り無かったから、余計にそう感じたのだろうなと思います。見終えた後に30分程ボッーとしながら電車に揺られてたんだけど、全然余韻が抜けなくて『とんでもねぇ作品を見ちまった…』という感情に心が支配されてました。

いまYoutubeで映画の冒頭7分くらいが公開されてるんだけど、僕は絶対にスマホ画面であの映画を見たくないって思いがあって。それは単純に、同じ映像に短期間で何度も触れることで、劇場で視聴した時の刺激を落としたくないってのが理由の一つ。放映期間中くらいは劇場に足を運んで、そこで大きなスクリーンと立派な音響の下であの映像を見て、そこから生まれる感情を特別だと思いたいから、というのが多分もう一つの理由のような気がする。同じ思いで挿入歌の視聴とかも全く見てない、というか見れないに近い。

特に、Brightest Melodyの話になるけど。劇中曲のメロディも歌詞も、それを見ている時は凄く胸に染み渡ってきて、めちゃくちゃに感動するんだけど、見終わった後に曲の詳細な部分は不思議と全然思い出せなくて。でも、そうやって思い出せない事が何だかとても心地良くて。あの映像を見てめちゃくちゃに感動したって事実だけで充分で、それが僕にとっての全てで、他には何も要らないとさえ思う。いや、CDは買うんですけど。あの映像の一瞬一瞬に感情が動かされ過ぎて、それ以外の事には1mmも気が回らなくて、だから全然覚えてなくて、でもそれは恐らく映画だからこそ出来る体験だと思うから、僕はそれを大切にしたいなという思い。

あの曲がAqoursの9人で歌う最後の曲という時点で、胸によく分からない感情が生まれてきて。イントロを歌いながら、Aqoursの9人が画面の左から右に、1枚の羽と共に1人ずつ流れてく。日が昇ってカメラが屋上まで引くと同時に、さっきまでとは違う衣装を着ながら、夕焼けをバックにして踊ってるAqoursが居たりして。正直、自分がこれを見て何を思ったのかよく分からない。感動したの一言じゃ片付けられない、もっとよく分からない何かがあって。嬉しいとか、切ないとか、面白いとか、そんな次元じゃなくて言葉じゃ表せない、もっと大きくて、得体の知れなくて、掴みどころのない思いが、ずっと胸の中をぐるぐる駆け巡ってる。この感情の正体に僕が気付くのは、まだまだ先になりそうです。

2回目だったので、大事な所にはちゃんと目が行きました。鞠莉のママがライブを見て優しく微笑むシーンとか。というか、この映画今までアニメで出てきたシーンのオマージュが多いなってめっちゃ思うんですよ。曜が制服に飛びつくシーンを初めとして、花丸がホットドッグ食べるとこも、ルビィの妄想の中で善子がガラスにへばり付いてるのも、千歌が一心不乱に歌詞を書いてるのも、それ以外にも何個か見覚えのあるシーンがあって。特に僕が好きなところは、鞠莉のママが「スクールアイドルなんて下らない」って言った直後、3年生の3人がママに反論してる時に、1年生と2年生の6人が、3年生の味方になるように左から1人ずつ右に映ってくシーンがあって、それが1期13話のミュージカルのオマージュになってて、何だかテンション上がってましたね。この映画がテーマに沿って「今まであった事」を意識して作られてるって事実に、嬉しくなりました。全部噛み合ってるんすよね。

そんな訳で、この作品やべぇ…とんでもなく凄いし面白い作品だ…という意識を新たにするきういンゴなのでした。