ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

暇だ...(なので、アイドルという概念について考える)

暇だ、びっくりするくらい暇。卒業研究が終わったのは嬉しいけど、急にやることが無くなった生活というのは、なんだか手持ち無沙汰でそわそわする。忙しいのは嫌だけど、暇なのも嫌、あぁ人間とは何と自分勝手で我儘な生き物なのだろう。暇な時にすることと言ったら、アニメを見るか、アイドルという概念について思案する以外にやることが無い。...紀元前のギリシア哲学者かな?

僕はアイドルという単語を何気なく使っているが、その実この単語が何を意味しているのかよく分かっていない。「アイドルは人間なのか?」という問いに対して、持ち合わせている答えというのは無い。合っているような気もするし、間違っているような気もする。という訳で、ここでハッキリとさせておこうと思う。

 結論から言うと「アイドルは人間じゃない」というのが僕の答えだ。これはステージの上に立つ人間は人間じゃないと言う意味ではない。アイドルとは人を見た時に人間が「その人を想像することで勝手に作り上がる人物像」の事なのだと思う。アイドルとは形ある物ではなく、人間の頭・心の中にしか存在しない曖昧なものではないだろうか。

アニメ作品に内的な価値は無く*1、その作品を見た人間の内部に素晴らしいと思う気持ちが生まれたり、つまらないと思う気持ちが生まれるだけ、という言説を僕は信じている。アイドルも恐らくこれと同じで、結局、人の心の中に、人に対して抱く思いだけがあって、その気持ちが自然と人間をアイドルに仕立て上げてしまうのだと思う。誰かが誰かにとってのアイドルになる可能性がある世界なのだから、形のあるアイドルという肩書きそのものに、さほど意味は無いと感じてしまう。

 僕はステージの上に立つ人間に対して、あれこれと考える。この人はこんな性格の人なのだろう、とか誰にも見られない場所で金麦をガブガブ飲んでいてほしい、とか期待や願望混じりの想像をする。恐らく、こういう期待・願望の混じった想像の末に自分の頭の中で出来上がる人物像こそがアイドルなのであり、僕はこの人物像をステージの上に立つ人間に重ねてしまう。

ステージに立つ人間は、他人の考えた幾多の人物像を背負って、その場所に立っている。数多の人が押し付けてくる背負いきれない程の理想像を、人間が一人で背負おうとするから、アイドルとは悪趣味で面白いのだと思う。人が自分の預かり知らぬ場所で勝手に大きくなった自分の幻影を背負うのに、どれだけの努力や覚悟が必要なのだろうか、僕には分からない。だから、その覚悟に敬意を表して、ステージに立つ人間のことを僕はアイドルと呼ぶのだろう。あれ、アイドルって人間なのか?

 

・参考文献(文献でなし)
1. フォロワー!
2. 少年ハリウッド*2

*1:勿論、アニメーターの人が何千枚という絵を描いたり、音楽を付ける行為自体には大きな価値がある。

*2:少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 49-/少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR 50- | アニメ動画見放題 | dアニメストア