ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 校内マッチングフェスティバル" でこの瞬間しか見ることの出来ない輝きに出会った

8月21日に発売された虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 Memorial Disc ~Blooming Rainbow~ を鑑賞しました。僕が見たのはその中でも、校内マッチングフェスティバル とそのメイキング映像だけですが、何かを書き残せずにはいられない程に素晴らしい映像作品だったので、ここにその感想を書き記します。

案の定、見どころはライブパートでした。3月30日のあの日、あの場所で起こった出来事がディスクには鮮明に記録されていました。9人の抱える緊張感や不安までもが、画面から痛いほど伝わってくる様でした。自分でも訳が分かりませんが、ライブパートが始まってからメイキング映像を見終わるまでの約2時間、泣きっぱなしと言う始末でした。

思えば虹ヶ咲学園に本格的に触れるようになってから1年弱が経ちますが、彼女たちのパフォーマンスを映像として見たのは初めてでした。トップバッターとしてステージに出てきたかすみん・相良ちゃんは、もう虹ヶ咲の中で切り込み隊長のポジションに就いてるのか?と思うくらい堂々としていて、楽しそうでした。前田佳織里さんの役に入り切ったような舞台での振る舞い、指出毬亜さんの透き通った歌声、鬼頭明里さんの優しげな表情はどれも胸に響くものがありました。続く楠木ともりさんのシャウトにも面食らってしまいました。楠木ともりさんの圧倒的なステージングは本人のソロライブで体験して知っていたつもりでしたが、それが衣装やキャラクターの力を得て、更に力強くなっていました。そして最後にステージに上がるのは大西亜玖璃さんでした。Dメロでは、目に涙を浮かべながら歌唱する様子が窺えましたが、「今まで支えられてきた人達を今度は私が支えたい」と涙ぐみながら歌う姿に込められた願いは、僕の胸に深々と突き刺さりました。後のMCで大西さんは「歌詞の通り、沢山の人に支えられている事を実感して泣いてしまった」と話していました。けど僕だって大西さんの存在に日々支えられている訳で、こちらこそ「あなたが居るから 私も輝ける ありがとう」の気持ちで一杯でした。

最後の挨拶でも、9人が胸中を吐露する姿に僕は涙してばかりでした。田中ちえ美さんが「もっと上を見たくなった」と前向きな欲望を曝け出す姿も、3年生の彼方ちゃんを演じているからか、普段は一歩引いている事の多い鬼頭明里さんが「自分も含めて、この9人は今までずっと努力してきたんだ」と熱く語る姿も、どれもグッと来るものでした。楽しさと悔しさの両方を感じていた楠木ともりさんの「私たちこんな所で止まらないから」という言葉には、あそこ迄のパフォーマンスをしたにも関わらず、満足をしない彼女のストイックさと、ずっと追い掛けたくなるようなカッコ良さが入り混じっていました。最後を飾るのは大西亜玖璃さん。涙を流して、仲間に囲まれながら言葉を紡いでいく彼女の姿に、やっぱり僕は泣かされるのでした。完璧なパフォーマンスを見せたい気持ちと、それが中々出来ない事への責任感や不安の間で何とか戦っている人の姿が、そこにはありました。最後の最後、いつもポーカーフェイスを作りがちな鬼頭明里さんが、あぐぽんの挨拶が終わった後、9人で輪になったところで涙が出てしまうのは、もうズルいとしか言えませんでした。

メイキング映像には、ステージを終えて「楽しかった!」と笑顔を向ける姿や、笑う余裕が無い程に真剣な眼差しを向ける姿がありました。そしてそこには、彼女たちを襲う重圧を9人で乗り越えようとする姿が記録されていました。「できる!できる!できる!」と互いを励まし合う場面からは、彼女たちが共に支え合っている事が切実に伝わってきました。ライブパートの曲が移り変わるタイミングでハイタッチを交わしたり、これからステージに向かう人にエールを送る様子は、まるで大事なバトンを一人一人が繋いでいくようでした。大西亜玖璃さんのソロステージを舞台袖から心配そうに見守る8人の姿も映像にはありました。歌いながら泣きそうになっている大西亜玖璃さんの姿を見て、必死に上を向いて涙を堪えている楠木ともりさんの姿が、未だに脳裏から離れません。

校内マッチングフェスティバル、実質的にはこのライブが1stライブだと思えてしまう程に密度の濃い時間でした。そして何より、彼女たち9人がこの日纏っていた緊張感や初々しさ、最後に円になって喜びを分かち合う姿は、まさに1stライブの醍醐味とも言える光景でした。そんな初々しさの伴った彼女たちの振る舞いは、走り出して日の浅いアイドル特有の、あの瞬間でしか見れない姿だったのかもしれません。

僕はこのライブの抽選には当たらず、生で見ることが出来ませんでした。ですが、こうしてイベントが映像化されて、曲がりなりにもあの場所での出来事を体験できて、本当に良かったです。そして、あの日の虹ヶ咲のキャスト9人が、あの場に居なかった無数のファンの存在を思いながらステージの上に立っていてくれた事が、僕にとっては何事にも替え難い程に嬉しかったのでした。

以上を虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 校内マッチングフェスティバルの感想とします。僕の好きなメンバーへの言及に偏ってしまったけど、本当に9人とも立派で素晴らしかったです。ずっと追い掛けたいと思わされてしまいました。1stライブも、出来ることなら行きたい…!