ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

TOKIMEKI Runners から3曲だけレビューしてみる

暇になってしもた。最近は暇だから何か書くか~つって徐ろに筆を執る事が多い。TOKIMEKI Runners が発売された時に各曲のレビューを書こうとも思ったけど、流石に全曲は書けないな~となったので、今更だけど好きな曲を3曲だけピックアップして書こうと思う。

その3曲は、あなたの理想のヒロイン、眠れる森に行きたいな、Evergreenの3つになる。因みに、次点で好きな曲は、ダイアモンド、夢への一歩、ドキピポ☆エモーションになってる。僕の観測範囲内だと、Starlight、めっちゃGoing!!、CHASE! が人気を得てる気がする。勿論、どれも好きではあるんだけど、自分の感覚だと上に挙げた3曲が頭一つ抜けて好きで、色んな人が居るな~ってなる。後はまぁ、そういったTwitterのTLでの人気に僕が逆張りしてたいって気持ちも、少なからずある。

上に挙げた3曲に共通してるのが、曲を聞いてる時に頭に浮かぶ情景が、ステージの上にないって事で。例えば、しずくの曲は学校だし、彼方の曲は夢の中、エマの曲はアルプスの草原が曲から思い浮かぶ。そうやって、音楽に触れる事で自分の意識がステージの上じゃない、どこか別の空間に飛んでいくのがめちゃくちゃ気持ち良い。多分、僕はこういう曲が好きなんだと思う。

で、これは9個のソロ曲の全てに言えるんだけど、今まで4コマ漫画なり、スペシャルドラマなりで描かれた、彼女たちの数ある側面が、初めて音楽という形で、一つの世界に過不足なく纏められてるのが良くて。こう、ある一面と一面を一緒に見ることで、キャラクターが今までより立体的になった感じがしてる。曲には飽くまでも今まで描かれたキャラクター像が如実に表れてて、曲を聞き進める度に『そうそう!このキャラはこういう娘なんだよな!』っていう、キャラクター解釈の答え合わせを、作詞者としてるような感覚になるのが凄く楽しい。そして、その解釈が合致する度にめっちゃ気持ち良くなる。ってのが、TOKIMEKI Runners の第一印象だったかな。じゃあ、一曲ずつ見ていく。

あなたの理想のヒロイン は、言葉選びが好きで。喜劇とか、アドリブとか、シナリオとか、演劇部のしずくらしい言葉を選んで使ってるなと思う。嬉しい感情を『喜劇を観終えたような感情』と例えていて、その真っ直ぐな比喩はしずくの誠実さが出てると思うし、比喩表現の拙さは、まだ16歳の少女の等身大の可愛さが出てる気もして好き。しずくって、スクフェス公式組の中でも一段としっかりしていて、1年生ながらも3年生の2人を引っ張っていく強さがあって。そんな娘が初めて『アドリブが苦手だから、私を導いてほしい』と歌って、自分だけに弱さを見せてくれるのが、無限に可愛い。2番の最後に、第2章の始まりと歌って間奏に入っていくのも好き。僕としずくで放課後に稽古していた思い出が、間奏の音楽に合わせて、走馬灯のように流れている気がしてめっちゃ好き。恋心について歌ってる曲ではあるんだけど、演劇とアイドルに一生懸命なしずくが純粋な恋心を歌ってるとは思えなくて。こう、『先輩に恋心を寄せている後輩』をしずくが頑張って演じてくれてる感があって、そこが凄く好き。

眠れる森に行きたいな は、ファンタジックな曲調がやっぱり凄く好きで、オルゴールの音色がとにかく心地いい。眠っている姫に対して彼方は憧れの感情を抱いてるんだけど、その理由が可愛いからではなくて、ずっと寝ててもいいからなのが凄く可愛い。彼方自身もお姫様の衣装を纏ってるんだけど、童話の眠り姫にあるような、王子様が現れるまで寝て待っているって感じの、古いお姫様像に囚われてないのも好き。彼方って不思議な娘で、いつも寝てると思いきや、やる時はビシッと決めるお姉さんなところもあって、でもやっぱり甘えん坊っていう、掴み所のないキャラだと感じていて。そういう、ふわふわしたキャラクターと幻想的な楽曲が無限にマッチしてるのが、多分1番の好きな理由なのかな~と思う。彼方の曲だけ、2番が終わった後に間奏を挟んですぐ終わっちゃうのも好きで。恐らく、この曲はサビを夢の中で歌ってると思うんだけど、間奏を終えて夢から覚めても、まだ眠いと言って寝ちゃって、そのまま曲が終わるのが彼方らしくて、めちゃくちゃ可愛い。

Evergreen はサビの開放感が好き。スイスの民族音楽をベースにしてるのかな多分。AメロやBメロは、故郷のスイスに思いを馳せてるエマの姿が目に浮かんで、その姿とどこか暗くて閉塞感のあるサウンドが重なる。だけど、サビに入った瞬間に視界がパッと開けて、どこまでも高い空と、一面の草原に自分が立ち尽くしている感覚になって、その時の開放感が本当に気持ち良い。個人的にこの曲は、エマが故郷で過ごしている弟たちの事を想って歌ってるのかなと思ってて。落ちサビの『繋いだ手 離さないで…』って歌詞も、弟たちと一緒に歌を口ずさみながら草原を散歩してる自分を想像した時に、ふと思い浮かんだ言葉なのかなって、色々と勘繰ってしまう。てんふぇすの4コマ漫画に、エマが自分の分のハンバーガーを弟にあげた記憶が蘇る時の話があって、それを知ってると、エマが故郷の弟たちの事を想って歌っている構図は、すごく泣けてくるんですよ。優しくて、立派なお姉ちゃんだったエマだからこそ、こんなに優しい歌声で、全てを包み込むような歌が歌えるんだろうな~…って思う。

ふぃ~、書いた書いた。誰か他にレビュー書いてる人、居ないかな~~~。(チラッ)