ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

Brightest Melody

サンシャインの映画は2回しか見てない*1。気軽にお金が使えないという理由もあるけど、何回も観るものじゃないなと僕が感じているのが、理由として1番大きいのだと思う。ライブの円盤を頻りに見返すことをしない感覚と同じだ。自分なりに映画から感じ取れるものは、9割くらい受け止め切った気がしてるけど、Brightest Melody(以下、省略の為にBMと書く)を見て自分の中から湧き上がる感情についてだけは、未だによく分かっていない。

そんな中、BMのCDが発売された。僕光を聴く時にちょっとだけ身構えてしまうのと同様に、BMを聞く時も覚悟を要してしまうので、無限リピートはしてない。プレイリストに入れて、黄昏時に歩きながら偶に再生するのが、僕なりの聞き方だ。そして曲を聞く度に、脳に電気が走るような感覚と、「自分はこの曲を聞いて何を思っているのだろう」という少しのモヤモヤが生まれる。自分の中で得体の知れない感情が蠢いているのは、思っていたよりも気持ち悪い。なので、このCD音源を頼りに、あの時の自分の心に何があったのか考えてみようと思う。

BMは、輝いていた過去を噛み締めながら、その全部を名残惜しげに今に刻み付けるような曲だと思う。6人のAqoursで少し前に踏み出した事で、自分達の持つ力の無さや不安、寂しさを知ったからこそ、再び9人で踊れる事の嬉しさを彼女達は胸に焼き付けているように僕には見える。そして、その嬉しさと同時に、これが9人のスクールアイドルとして歌う最後の機会である事への切なさも。その姿を見て、僕は胸が張り裂けそうな思いなるのだ。9人のAqoursは思っていた以上に眩しく輝いていて、未来には不安が沢山あると認めた上で、嬉しさと名残惜しさ混じりに「前に進まないと」と歌い上げるから、僕はこの曲が好きなのだと思う。

僕は今でもこうして、サンシャインについて何かを考えては文字を綴っているが、2年前の自分がサンシャインにハマった頃に持っていた熱量に比べたら、今の熱量はそうでもない自覚がある。何かに飽きる事は自然だと思っているので、悪いとは思っていない。ただ僕は、周りが見えなくなる程に何かにハマったり、夢中になる状態そのものが好きだから、今の生活に物足りなさを感じているのは事実だ。だから僕は「とびっきりの何か」をまた見つけたい。その何かは分からないから、楽しかった過去に背を向けて、色んな物に首を突っ込み続けていきたく思う。Brightest Melody は彼女達が未来へ踏み出す為の決意の歌だったかもしれないが、僕にとってはこの気持ちを後ろから後押ししてくれる、救いの歌だったようにも感じた。

前に進むことで面白そうな物と、これからも沢山出会っていきたい。

*1:全体で見たら2回でも多い方かも。