ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

アニサマで行われた星見プロダクションのステージについて-Animelo Summer Live 2022 感想

2022年8月26日、さいたまスーパーアリーナで行われたアニサマ2022に星見プロダクションの10人を見に行ってきました。星見プロの出番は4曲、15分程度と短くはありましたが、内容が特殊だったので思った事を簡単に聞き留めておきます。

サニピは「SUNNY PEACE HARMONY」を、月ストは「月下儚美」を共に披露。サニピがTVサイズを披露した後、すぐ捌けていったので内心「短!?あと50曲やれ!!!」と思いました。席はアリーナの後方でステージはよく見えませんでしたが、いつも通り楽しかったです。会場に入る前はアイプラTシャツの人を結構見たのですが、自分の周りには星見の人が少なかったようで、久々にアウェイを感じられたのも良かったです。

そして3曲目「song for you」。さすがにイントロがかかった瞬間に『噓でしょ』の声が漏れました。恐らくアイプラのライブに足繫く通っていた人の殆どが同じことを思っていたでしょう。というのも、個人的な感覚として、アイプラが単独でするライブはアニメとの関わりを必要以上に感じさせない作りになっていると思っていて*1、そもそもとして「アニメのシーンを再現すること」に重きを置いていないように見えます。あくまでもサニーピース、月のテンペストというグループが現実にも存在していて、私達はそれを見て劇中のファンと同じように、つまりアニメで描かれた物語をその場で反芻して感動するのではなく、目の前のアイドルのパフォーマンスを見て楽しむという構造があります。なので、この日の「NEXT VENUSグランプリ」を再現したステージはいつものアイプラのセットリストや演出とは根本的な思想/趣旨が違うと思いました。

「song for you」はアイドリープライドの中でも特に大事な楽曲である為、アイプラが好きな人の集まる単独で披露されるのが理想だという気持ちは少なからずありますが、一方で『披露はここしかなかった』という気持ちもあります。それは劇中で行われた「NEXT VENUSグランプリ」の決勝会場の規模やステージの形状がさいたまスーパーアリーナと似ているというだけの理由ですが、中野サンプラザで見るより、立川ステージガーデンで見るより、さいたまスーパーアリーナで見る「song for you」が一番様になっていたはずです*2。橘美來さんの会場全体を包み込むような素晴らしい歌声と緑色の照明、そして後ろのモニターに映し出される牧野を見て、その光景に立ち尽くすしか出来ませんでした。琴乃が劇中で歌った「song for you」は琴乃の当初の目的であった「姉が立てなかったNEXT VENUSグランプリの頂点に立つ」ことを達成した証として、また牧野が麻奈を探している間に歌われた背景があり、個人的には(神田沙也加さんを含めた)琴乃→麻奈の文脈より、アイドリープライドという物語の因果を強く感じさせるので、作品そのものに思いを馳せられる良い演出でした。(逆に9話の「song for you」は純度100%のさくら→麻奈の楽曲なので少し心がしんどくなっちゃってたと思います)

最後の曲は「サヨナラから始まる物語」。サヨナラで終わるライブは全部良いライブです。いつもと違う点と言えばサニピ・月スト衣装のまま披露していたことですね。横一列になった時にサニピ・月ストが交互に並ぶのでコントラストが綺麗ですごく良かったです。定期的にやってほしい。終わり際に10人がステージから捌けていく時も何だかアニメ6話での挨拶を見ているような感覚でした。こういう時に「怜ちゃん!頑張って!」の垂れ幕が欲しすぎる。

始まった時は「星見プロあと100曲やれ!!!」と思っていたのですが、終わってみれば「song for you」のせいで満足度がえげつないことになっており、アニサマ開始30分でチケ代を全て回収どころか完全に勝ってました。1日目だけ円盤欲しいかもしれない。毎回こういうライブが見たいかと言われたら間違いなくNoなのですが、こういうライブが一回くらいあっても良いのになとは思います。

*1:そう感じるのは、恐らく自分がラブライブサンシャインを通っているからだと思います。

*2:アニサマだけに。