ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

22/7のライブを初めて見る

つい先程まで、22/7「僕が持ってるものなら」発売記念LIVEの見逃し配信を見ていました。ものすごく良いライブでした。久々に余韻で色んな事が手に付かなくなってます。一般チケットで夜の部のみを視聴しましたが、これが3500円で見れるのは安過ぎますね。

配信ライブに愛想を尽かしかけている自分も居たのですが、このライブは配信ライブでありながら、配信を見ていると言うよりはライブの円盤を見ている感覚に近かったです。テロップで曲紹介があったり、歌詞が常に出ているのだけで驚きました。時に10人全体を映し、また時にはキャスト一人一人の表情をドアップで抜くカメラのスイッチングからは、パフォーマンスを一番良い角度、距離感で抜いてやるという意思を感じました。キャストの顔を滴っていく汗や涙の粒まで見えたのは本当に最高でしたね。検算中などを見ていると、どうしても涼花さんや倉岡さんに目が行ってしまいますが、こうしてライブを見ると10人とも凄い人だなと、ステージに立つことで特に輝く人が居るんだなと思いました。最後の手紙のくだりでは何故かずっと私が泣いてましたね。この人たちのこと全然知らないのにこんな泣くことある?と少し不思議に思ってしまうくらいに。(全然関係ないですが、4年前のAqours1stライブでもキャストの名前すら知らないのにMCで泣かされてましたね)宮瀬さんが必死に涙を零さないように手紙を読み進めていく姿に私は特にやられていました。そんな訳で、私が今まで見てきた配信ライブの中じゃダントツで一番のライブだったと思います。

何故このタイミングで22/7のライブを見ようと思ったかと言えば、好きなフォロワーがよくライブを見ていて興味があったのが一つ、検算中を見てキャストにも興味が湧いたのがもう一つです。帆風さんの卒業公演というのも勿論ありますが、ライブを見る前の私自身はまだメンバーに対してそこまで思い入れを持てていなかったのが正直なところですので、やはり検算中の存在は大きかったです。

少しだけ私から見たナナニジの話をさせて下さい。計算中は毎週楽しく見ていました。3Dモデルのキャラクターがバラエティ番組をしていること自体の面白さを実はそこまで感じていませんでしたが、純粋に可愛い女の子が様々な企画でわちゃわちゃしているのを見るのは楽しかったです。アニメも同様に楽しんで見れました。そこからキャストのライブに触手が伸びなかったのは、何となくキャスト達の活動がアニメやバラエティ番組の延長線上にないと思えたからです。声優がキャラクターを演じているという接点こそあるものの、2次元側と3次元側が各々独立しているような印象は今でもあります。

ですが今日ライブを見て、パフォーマンスの凄さに今までの印象を8割くらい吹き飛ばされたような気がします。もっとライブ見たいと思いました。22/7を知った先に何が見えるのか、ちょっと気になってしまいました。

【スクスタ】ビッグライブで最優秀賞を取る際の考え方について

スナイプが出来ると…嬉しい!イェー!

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やってしまいました。という訳で記念に、その時の編成と簡単なプレイングについて記事に残そうと思います。ビッグライブについて解説している記事は別のブログ様が書かれているので、ここでは実際に私が最優秀賞を取ったスノハレを例に挙げて、1人1人の採用理由、作戦編成、アクセサリー編成、ライブ中のプレイングについて細かく解説しようと思います。人によって最適な編成が異なるのがスクスタの面白い部分ですので、「何故そうなったのか」を重点的に紹介していきます。その前に少しだけ私について書かせて下さい。

 

自分のスクスタのステータス

・ランクは105、リリース当初からプレイ。
・スクスタパスには加入、課金額はそこそこ。(累計で5万円くらい)
・毎日ログインしてデイリー消化は欠かさない。
・イベントは毎回熱心に走ってる訳ではない、30000位をキープしてる程度。たまに5000位くらいまで走る。

 

やってない人から見たらかなりスクスタやってる側の人間ですが、スクスタを熱心にやってる人から見ると全然やってない方の人間だと思います。まぁそれでも運次第で最優秀賞は取れるので楽しいです。さて、では編成の解説に移ります。

編成の基本的な方針

・最優秀賞一点狙い。
・作戦編成切り替えによる特技発動率UPを主軸とした、特技とボルテージに力を入れた2作戦編成。
・デバフは解除する。
・SPゲージ獲得の特技を持ったキャラの人数は最低限に抑える。

 

最優秀賞一点狙いについては目的ですので説明不要です。強いて言うならビッグライブメダルを稼ぎたい場合は最優秀賞狙いで行くのが効率的でしょう。最優秀賞は獲得ボルテージ、SP特技発動回数、特技発動回数の平均順位が高い人に送られるので、どれか一つに特化するのではなく、どの賞でも5位前後を狙えるようなバランスの取れた編成が好ましいです。ビッグライブには自分より強い人がごまんと居ますが、最優秀賞は平均順位で決まるので、自分より強い人が何の賞を狙っているのか、また部屋に居る人達がどんな編成を使っているのかが勝敗に大きく関わってきます。要は運ゲーなんですけど、運を最大化させる方法を取るに越したことは無いです。

今回2作戦編成を採用した理由は、最優秀賞を狙うに足る一点突破編成が組めないからです。一点突破編成を組むには、SPゲージ獲得特技を持ったアピールの高いUR(フェス限エマ、フェス限かすみ、フェス限えりち…等)と、特技発動率を上げる完凸のキーホルダー2つが必須だと考えています。私は上記のUR/キーホルダーを持っていないので、2作戦編成を組むことにしました。

デバフは基本的には解除した方が良いでしょう。特にスノハレは属性に関係なく最初にデバフされるので、減少解除持ちがほぼ必須です。デバフはタップによる獲得ボルテージだけでなく、SP特技での獲得ボルテージ、ブレスレットの効果量にまで影響するので、「基本アピール減少」以外の減少効果は積極的に解除していきましょう。デバフの解除を考えなくて良い時は、メイン作戦のアタッカーが減少の対象外の時、「基本アピール減少」の時の2つです。

SPゲージ獲得特技を持つキャラは必要最低限に抑えます。何故ならタップで稼げるボルテージが少なくなるからです。SPゲージを早く溜めることは勿論大切ですが、一番大切なのは「AC開始時までにSPゲージを溜めること」です。ACをタップで獲得したボルテージでクリアする事と、SP特技を発動してクリアする事の間には、実は少しの差があります。前者の場合、「SP特技発動→AC開始→タップでボルテージを稼ぐ→ACクリア→ブレスレット発動→2回目のSP特技発動」となりますが、、後者の場合は「AC開始→SP特技発動→即時ACクリア→ブレスレット発動→2回目のSP特技」となります。実は後者の方が2回目のSP特技を打つタイミングが数ノーツ早いんですね。このように、AC開始時にSPゲージが溜まらないのなら、無駄打ちは控えて我慢した方が結果としては良い事が殆どです。なのでこの編成で目指すSPゲージ獲得の最低ラインは「1回目のAC時までにSPゲージが溜まっていること」です。

 

その方針に則って出来た実際の編成がこちら。

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左から簡単に役割を言うと、SkタイプでSPゲージを獲得出来る果南、作戦変更時に特技発動率を上げて且つアタッカーも出来る器用な曜ちゃん、Skタイプで回復役の鞠莉、ボルテージ獲得屋さんの千歌、せつ菜、愛さん、デバフ解除役の梨子ちゃん、作戦変更時に特技発動率を上げてくれる貴重なSR海未ちゃんと善子、という感じです。

 

作戦編成と1人1人の採用理由について

①青作戦


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青作戦はサポート作戦です。作戦変更時に特技発動率をUPさせるSRが2枚、減少効果を解除するURが1枚です。善子と海未ちゃんはこの編成のコンセプトを担っています。善子や海未ちゃんと同じ個性を持つSRに真姫ちゃんが居ますが、今回はお留守番です。何故なら個性1がテクニック+:同作戦 の真姫ちゃんは、個性1にアピール+:同作戦を持つ海未ちゃんと善子に比べて青作戦全体でのアピールが低くなってしまうからです。青作戦にはブレスレットを持たせるので、なるべくアピールは高い方が望ましいです。

減少解除には初期UR梨子ちゃんを採用してます。同じ減少解除の個性持ちに初期URかすみんが居ますが、かすみんの減少解除が発動するタイミングはSP特技発動時なので、最初のACを確実に減少効果を負ったまま迎えてしまいます。対して梨子ちゃんの減少解除が発動するタイミングは作戦変更時になので、今回の編成とは相性が良いです。

 

②赤作戦


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ここからはメイン作戦の解説になります。ライブでは赤作戦と緑作戦をゴリゴリ切り替えてライブするので、赤と緑作戦にはなるべくアピールの高いキャラを入れましょう。回復役を1人、SPゲージを獲得出来る最低限の人数を用意したら、残りはより多くのボルテージを獲得出来るキャラで埋めたいです。

メインの6人を2つの作戦に分ける際に意識した事が2つあります。1つ目は赤と緑にそれぞれ1人以上のSkタイプを入れること、2つ目はアピール+:同作戦 持ちのキャラは1つの作戦に纏めることです。1つ目の理由はSkタイプの作戦切り替え効果である「作戦切り替えに必要となるノーツを2減らす」を発動させる為です。上で紹介したSR海未とSR善子、後述するUR曜ちゃんは作戦変更をすればするだけ特技発動率が上がります。つまり、1曲の中でどれだけ作戦変更が出来たかが特技の発動回数に直結します。その為、作戦切り替えの回数を増やすことの出来るSkタイプの作戦切り替え効果は、特技発動率UPと実質的には同じと考えられる訳です。2つ目の理由はSP特技で獲得するボルテージを増やす為です。SP特技で獲得出来るボルテージは、編成の真ん中に居る3人のアピール値とテクニック値の高さによって決まります。なるべくアピール値の高いキャラを真ん中に起きたいので、アピール+:同作戦 持ちのせつ菜、千歌、鞠莉は同じ作戦に入れ、できる限りアピールを上げた状態のせつ菜と千歌を真ん中に配置します。

1人1人の採用理由ですが、せつ菜と千歌については自分の持つURの中からアピールの高い2人を選んでいるに過ぎません。強いので採用しない理由もないです。鞠莉はSkタイプ、アピール+:同作戦 持ち、テクニック参照ヒーラーで、この編成に欲しい能力が全部詰め込まれてます。強すぎるので採用。

 

③緑作戦


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緑作戦はボルテージを稼ぎつつ、特技発動率UPやSPゲージ獲得にも気が配られた第2のメイン作戦です。まずはSPゲージ獲得の最低ラインを満たす為に採用されたSkタイプのUR果南。スノハレであればSPゲージ獲得の特技持ちが1人居れば、一回目のACまでにゲージを溜めることが可能です。Skタイプを必ず1枚は採用する必要がある為、SkタイプでSPゲージを獲得出来るキャラの中から一番アピールの高い果南を採用しました。次に作戦変更時に特技発動率UP持ちのUR曜ちゃんです。無凸であれば青作戦に入れて特技発動率UPの役割を担って貰ったのですが、運良く4凸して、ステータスボーナスもあるのでアタッカーとして採用してます。特技とボルテージの2つに力を入れるコンセプトに、この上なく合致している為これまた採用しない理由がないです。最後にフェス限UR愛さん。ここまでで編成に対する様々な制約や条件がありましたが、それらが全てクリアされたので、後はアピールの高いキャラを入れるだけです。ですので、ステータスボーナスのあるフェス限のUR愛さんを採用。

 

アクセサリー編成について

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今回組んだアクセサリー編成がこれです。意識した点は3つです。第一にAC成功時にSPゲージが0から満タンになるようにブローチを装備させたこと。これをしないとSP特技発動回数が圧倒的に足らなくなってしまいます。ACに入った直後にSP特技が連続で2回打てるのがベストです。ブレスレットの付けすぎは貴重なアクセサリーの枠を無駄に消費する事になり、本来得られるハズだったアピール+や特技発動率UPの恩恵を受けられなくなるので注意しましょう。

第二に果南の居る緑作戦にはキーホルダーを多めに装備させることです。1回目のAC時にSPゲージが溜まっているには、果南の特技が2~3回は発動する必要があり、これが満たされないとSP特技発動回数が1回減ってしまいます。この1回が後々響いてくる為、キーホルダーで果南の特技発動率は極力上げておきたいです。

第三に、赤作戦にはチョーカーを装備させることです。赤作戦は上述した通りアピールの高い編成になっており、上級での1回のタップで獲得出来るボルテージの上限である5万に届いてしまうことが多いです。なのでチョーカーを装備させてボルテージの獲得上限を底上げします。

以上の3点を絶対に守りつつ、残りの枠はアピールと特技発動率のバランスを見て、ブローチやキーホルダーを装備させてます。ここまで来たら後は試行錯誤と自分の感覚でしか調整出来ません。

 

簡単なプレイングについて

①作戦は切り替えられる限り切り替える。
②ACが始まった瞬間にSP特技を発動させる。

 

基本的に守るのは上記の2点だけです。簡単でしょ? 臨機応変さが必要になる瞬間はSPゲージ獲得のサポートノーツが降ってきた時だけです。SPゲージ獲得のサポートノーツが見えた時、SPゲージが既に溜まっている場合はSP特技を打ち、サポートノーツで再びSPゲージを満タンにします。溜まっていない場合は、サポートノーツを叩いてSPゲージが満タンになった瞬間に、次のACまでにSPゲージが溜まるならSP特技を打ち、溜まらないなら我慢する必要があります。この見極めはシビアな場合が殆どです。因みに私は確実に溜まると確信出来る場合以外は我慢する事が多いです。

 

最後に

ここまで読んで頂いた方はお疲れ様でした。当たり前の事だと感じる人も中には多くいらっしゃったと思いますが、少しでも参考になっていれば幸いです。

そして、スクスタが意外と考えることの多い、実はちょっと奥の深いゲームだと色んな人が知ってくれたら大いに嬉しいです。

 

2/3 残らないこと

X21のラストライブから2年とちょっとが経ちます。あの日のライブがとても良かったこと、楽しかったこと、MCに感動したことだけが頭にあって、それ以外のことは正直あまり覚えていません。思い出そうにも思い出せない。ライブの映像を見返そうにもどこにもないし、ライブ後に書かれた推しのブログ記事すら残っていない。残っていないということは、思い出す伝手が無いことで、これが思ったよりも寂しい。ライブを見た日は「こんな景色忘れられるか」って思うんですけど、やっぱり忘れていくんですよね。忘れていくことしか出来ないというのが何よりも寂しい。特にいま僕が楽しんでいる声優アイドルのライブって十中八九は映像化が行われていて、その気になれば大部分を思い出せるから、X21のラストライブを思い出せない寂しさは尚さら強く感じてる。

X21のラストライブは本当に良いライブで、それこそ自分が今まで見てきたライブの中でも3本指には確実に食い込んでくるくらいのものだったんですよ。解散ライブ特有のアイドルとファンの異様な熱量、一切の妥協を許さないパフォーマンスとオタクのコールがあった。ラストだったからこそ出来たライブというのは大きいと思うけど、残っていないのは勿体なさすぎる...。一応ラストライブじゃなくて定期ライブの映像は少しだけ残ってるんですけど、ラストの盛り上がりはこんなもんじゃなかった気がする。

 

youtu.be

 

まぁでも残っていることって本当にありがたくて、最近はX21を感じたくなった時に定期ライブの動画を見返してます。てかライブ映像マジで良いな...。3度目のFirst love って曲があるんですけど、これが歌も良けりゃダンスも良くて、フォーメーション移動もカッコいいんですよ。この映像じゃ伝わらないと思いますが...。

今の自分がX21のオタクをまた出来たら絶対に楽しいと思うんですよね、金銭的にも余裕ができたし、社会性も幾分かマシになったと思う。パフォーマンスを見る時の目も、それを言語化する力も恐らくあの頃より上手になっているハズ。まぁそんな事はもう叶わないけどね。でも何と言うかこれ以上あの瞬間を忘れていかないように、定期的にX21の話をしたい。

1/26 アイドルアニメ(少年ハリウッド)の話

世間一般でアイドルアニメと呼ばれるアニメの数は多かれど、「アイドル」という存在を真正面から描いている作品はとても少ないとよく思う。それは悪い事ではない。僕はラブライブが大好きだし、自己実現の結果としてステージがあるという作劇はアニメとして自然だ。アニメで描かれるアイドル像が現実にあるアイドルと如何にズレているかを論じる事に私は特段意味を感じない。お陰で私はラブライブを始めとした所謂アイドルアニメのキャラクターをアイドルとしては見れない訳だ。現実でキャストがキャラクターを内に宿す人としてステージに上がった時に、初めてコンテンツにアイドルという概念が導入される。

・・・

少年ハリウッドを久々に見返した。何度見ても不思議なアニメだと思うと同時に、ここまで「アイドル」という概念・職業の真に迫れたアニメは他に類を見ないとも思う。ラブライブがステージを「感情を爆発させる場所、自分自身で居られる場所」と定義するなら、少年ハリウッドはステージを「思ってる事も言えない場所、自分以外の何者かになる場所」と定義する。アイドルとは数多の人間から様々な理想を押し付けられる者だとこのアニメは主張してくる。5話や10話を始めとした少年ハリウッドが出演する舞台や番組、ライブをそのまま流す話は、少年ハリウッドである彼らが明らかに何者かを演じている姿を淡々と見せ続ける。見た人は分かると思うがかなり挑戦的な作りで、キャラクターの心の声など、アニメ的な演出が全く無い。本当に彼らが出演している音楽番組を見ているような不気味な30分だった。このように、アイドルはファンの理想の姿を常に演じ続けねばならないという思想が作品の根底にあり、主な作劇はステージの外に存在する人間としての少年ハリウッドが中心となるが、何故だかそれさえも虚構なのではと、実は私が見ているのは作られたドキュメンタリーなのではないかと疑いたくなる危うさを持った作品だと感じた。事実として、この作品の次回予告ではアニメの脚本が映されていた。

・・・

また、この作品で描かれるアイドル観は核心を突いている。特に唸ったのは第16話『本物の握手』だ。アイドルが日頃からしている何気ない一回の握手も、未来で少年ハリウッドが握手出来ないくらい大きな存在になると、何気なかった握手がその人の中で宝物になる。だから、アイドルはいつか宝物になるかもしれないその欠片をファンに配るし、欠片が本物の宝物になるように大きなステージを目指す。アイドルが何故握手をするのかに対するこの作品の解答はこれだ。正直、こんな解答はアイドルに対する理解がないと生まれないと思う。何気ない握手が宝物になった経験がある身としては、少年ハリウッドの主張していることには、果てしない説得力を感じざるを得ない。

・・・

やはり少年ハリウッドはアイドルアニメであった。ラブライブを始めとした歌い踊る作品が、私の中でアイドルアニメではなく青春学園ドラマにカテゴライズされる一方で、少年ハリウッドだけは比類ないアイドルアニメとして在り続ける。(少年ハリウッドみたいなアニメがあったら見たいので教えて下さい)

1/22 永遠にアイドルでは居られない

諸行無常という言葉がある。人生の中でこの言葉の意味を噛み締める機会は何度かあると思うが、好きなアイドルグループが解散した時と、好きなアイドルグループから卒業メンバーが出た時ほど、この言葉の意味を実感する機会はそうない。

澁谷梓希さんがi☆Risを卒業するそうだ。なるほど。漠然とi☆Risはずっと6人のまま、あと5〜6年はアイドルとして活動するものだと勝手に思っていた。明確な根拠は無いが、あるとすれば彼女たち自身がi☆Risを大好きだという気持ちを7周年ライブで見せ付けられたからだ。

僕がi☆Risに感じていた魅力の一つに『変わらないこと』と言うのがあった。現場に足を運ぶようになったのは本当に最近の事なのだが、僕がプリティーリズムにハマっていた時も、X21にハマっていた時も、ラブライブにハマっていた時も、声優にハマっていた時も、i☆Risは変わらずにずっと6人で活動をしてくれていた。様々なコンテンツが形を変え、時に消えていく時代の中で、8年間変わらずに居てくれた事実そのものに、とてつもなく安心させられていたと分かった。澁谷さんの個人の活動を熱心に追っている身ではないが、それでも卒業がこんなに寂しいのは、i☆Risというグループの形が変わってしまう事への、また6人で作られていたバランスの取れた空気が無くなってしまう事への寂しさなのだろう。

メンバーはもう良い歳だ、最年少の若井さんが25歳なのだもの。澁谷さんは27歳、グループ活動より優先したいことの一つや二つ出てきて当たり前だ。寂しいけど、受け入れる以外の選択肢を僕は持ち合わせていないので、ひとまず今の気持ちだけ書いておいた。

話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

2020年も終わりなので書いていきます。今年はaninado様が集計を行ってくれております。感謝です。

「話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選」ルール
 ・2020年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
 ・1作品につき上限1話。
 ・順位は付けない。*1

 

1. 22/7 第7話『ハッピー☆ジェット☆コースター』
脚本:大西雄仁 絵コンテ/演出:森大貴

コメント:体調不良で倒れてしまったメンバーの仕事を代役として全てこなす戸田ジュンの無尽蔵の元気さと、その元気さのルーツに迫った第7話を選んだ。アイドルとして奔走する戸田ジュンの今と難病を患っていた過去とを反復横跳びする構成と、その語り口が感傷的だったのが印象深い。演出等にも凝っており、特にジュンが屋上で夕日を見ながら号泣するシーンはその綺麗さと相まって込み上げるものがあった。あれだけ苦悩した難病がさっぱり無くなる話の落ちも不思議な後味を演出しており、アニメナナニジの中でも特別好きな話だった。

 

2. かぐや様は告らせたい?第6話『伊井野ミコを笑わせない/伊井野ミコを笑わせたい/かぐや様は呼ばれない』
脚本:中西やすひろ 絵コンテ:畠山守 演出:仁科邦康

コメント:天才たちの恋愛頭脳戦とタイトルに銘打っているが、もっと広く学園ドラマとして魅せてきた第6話を選出。普段は生徒会室でラブコメを繰り広げている生徒会役員の真面目な一面を見られるのが好き。マイクを介さずに放った「言ってみ」の一言で壇上の伊井野ミコを聴衆の目から救いつつ、救った上で自分が勝つ白金御行のカッコよさが爆発していた。伊井野ミコの過去や人間としての弱さを節々で描きつつ、クラスメイトに認められながらの僅差での敗北、生徒会加入の流れ全てが噛み合っていて良かった。

 

3. ミュークルドリーミー 第15話『ドキドキ花火大会』
脚本:金杉弘子 絵コンテ:宮崎なぎさ 演出:海宝興蔵

コメント:2020年で最も可愛いが溢れていたアニメからは、中学生たちのドロドロの恋愛愛憎劇を描いていた第15話を選出。杉山先輩と百合先輩が2人で花火大会に来ているところを目撃する主人公のゆめちゃん、朝陽を花火大会に誘って断られたにも関わらず、ゆめと朝陽くんが2人で居るところに居合わせてしまった森村さん、ゆめに「朝陽と付き合ってるって勘違いされても困る」と面と向かって言われてしまう朝陽。一つの場所で色んなキャラが同時多発的に失恋にも近い、切ない感情を抱えてしまうシナリオに胸がキリキリと痛んだ。森村さんが夢の中でゆめに向けてきた憎悪にも近い感情は、恋敵に向けられるべくして向けられるものであり、一概にブラックスキーマのせいとも言えないところにも、独特な後味の切なさがある。朝陽がゆめに「ゆめとは隣に住むただの幼馴染って森村には説明した」と伝えると、今度はゆめの方の顔が曇ってしまい、お互いに自分の気持ちを正しく把握しきれていない2人やり取りにまた胸が締め付けられるのだった。第15話はミュークルの中でも突出してえげつない話だが、日向ゆめちゃんは2020年で最も可愛くて好きなキャラクターだった。

 

4. シャドウバース 第17話『特別と普通』
脚本:川口敬一郎、磯崎輪太郎 絵コンテ:大平直樹 演出:津田義三、江副仁美

コメント:特別に憧れるミモリちゃんと、普通で居たかったアリスちゃんの真剣勝負が行われた第17話を選ぶ。カードゲームが心と心を通わせる手段として使われたこと、またこれが女の子と女の子の間で行われていることが好き。平日の夕方からテレ東でレズセックスが垂れ流しているも同然だった。「どんなアリスちゃんもアリスちゃんだよ」というミモリの言葉によって、どこか吹っ切れたアリスちゃんの使うフォロワーが、露骨に禍々しくなるのが良かった。黒羽アリスちゃんは2020年で2番目に好きな女。

 

5. 魔王学院の不適合者 第6話『魔剣大会』
脚本:大内珠帆 絵コンテ:西田正義 演出:福多潤

コメント: 全13話を通して面白かった魔王学院の不適合者からは第6話を選出。猫喫茶に勤めるアイヴィスや、きのこグラタンを食した際の「絶品だ」など節々で面白いシーンが挿入されがちで、面白くないシーンが無いアニメだった。第6話ではアノスが両親を想う気持ちが描かれる。父さんも母さんもアノスに比べたら弱く至って普通の両親だが、アノスに対する愛情は一点の曇りもないほどに純粋で、そんな両親のことをアノスもまた学友と同等かそれ以上に愛し、誇りに思っている。魔剣大会への出場を決めたラストシーンでは、魔王として長く生きてきたアノスが、両親と共に生きている今を大事にしていることが描かれ、これもまたアノスというキャラクターのカリスマ性に磨きをかけている。

 

6. キラッとプリ☆チャン 第118話『キラッと集まれ!プリティーオールフレンズだッチュ!』
脚本:金杉弘子 絵コンテ/演出:小林浩輔 プリチャン☆ライブ演出:安藤尚也、小林浩輔、江副仁美、京極尚彦菱田正和

コメント:プリティーシリーズ10周年を記念して放送された118話を選出。突然スケートリンクに放り出されたり、掃除機に吸い込まれたり、空から眼鏡が降ってきたりと、トチ狂った話から繰り出される感動的なライブには、プリティーシリーズが10年かけて培ってきた雰囲気が凝縮されていたような気がした。「プリマ☆ドンナ?メモリアル」では歴代の主人公5人からバトンを受け取るような形で、今を担う桃山みらいがサビのセンターを務めていたのが良かった。間奏からは主人公たちの技が連続で披露されたが、落ちサビにオーロラライジングドリームの羽が生えるシーンを重ねてくるのはズルいとしか言いようがない。プリティーリズム、プリパラが好きな自分にとっては本当にご褒美のような話だった。

 

7. 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第3話『大好きを叫ぶ』
脚本:田中仁 絵コンテ/演出:長友孝和 ダンスパート演出:京極尚彦

コメント:第6話も良い回だったが、こちらには第3話を選出。自分が居たら同好会の為にならないと言う優木せつ菜に対して「あなたはあなたのままでいい*2」と伝える侑と、そんな侑に対して「どうなっても知りませんよ」と良い意味で自分が変わることを諦めているせつ菜のやり取りがお気に入り。「自分の我儘を貫き通す」という話の筋は従来のラブライブでも見られ*3、シナリオの面では非常にラブライブらしいと言える。猫を虫網で捕獲しようとするせつ菜の可愛さもあり好きな話だ。

 

8. ご注文はうさぎですか?BLOOM 第3羽『世界のすべては私の経験値』
脚本:ふでやすかずゆき 絵コンテ/演出:篠原正寛

コメント:2020年秋アニメの王からは第3話を選出。バイト仲間の普段見られない一面を学校という他の共同体を用いて目撃する話と、チマメ隊の進路の話を上手く織り交ぜて描いた第3話と第4話は、ご注文はうさぎですか?シリーズを通して見ても傑作に思える。お嬢様学校に苦手意識を持っていたマヤが、いざ飛び込んでみたら悪くないと思える様子も好きで、ごちうさを可愛さと少しの毒っ気で構成されたアニメだと思っていた自分の認識が正されたような感覚があった。チマメ隊の3人が手を繋ぎ一緒の学校へ行こうと笑い合うシーンがあるが、その後に流れるEDではチノをティーポッドから連れ出すマヤとメグ⇒3人で並びながら「季節は過ぎ去っていくけど、3人の気持ちは変わらない」と歌うカット⇒メグとマヤの居た虚空を一人で見つめるチノの映像が作られており、この先の展開を示唆的に描いているのも印象的だった。

 

9. アサルトリリィBOUQUET 第5話『ヒスイカズラ
脚本:佐伯昭志 絵コンテ/演出:長原圭太

コメント:2020年秋アニメの帝からは第5話を選出。夢結が梨璃の誕生日プレゼントを探しに行く話を通して描かれた、夢結の不器用さと優しさに胸がジーンとなる話だった。第5話は特に美術に力が入っており、夢結が電車で山梨に移動するシーンや梨璃の故郷の駄菓子屋さんの寂れた雰囲気、それとは対照的なラムネの鮮やかさは物語をより引き立てていた。結局のところ夢結はラムネを子供に渡してしまい、学校の校門で買ったラムネをプレゼントしたが、この時の梨璃の「ぶどう畑の匂いがします」という台詞にもセンスが溢れている。梨璃には夢結が故郷まで出向いてラムネを買っていたことまでは分からないだろうし、ただ梨璃にとって懐かしい匂いを夢結が身に纏っている事実だけがあり、この台詞を聞いた夢結が少し嬉しそうにしている。夢結が重ねてきた苦労が梨璃に完全に伝わることは無かったが、その伝わらなさが夢結というキャラクターの不器用な部分であり、また愛おしい部分でもあると思った。間違いなく2020年トップエピソードの一角。

 

10. 魔王城でおやすみ 最終夜『魔王城の眠り姫』
脚本:中村能子 絵コンテ:山崎みつえ 演出:山崎みつえ、野呂純恵

コメント:2020年秋アニメの妃からは最終夜を選出。安眠を求めて魔王城を冒険する物語の終着点はパンツを取りに実家に帰る話であったが、そこでの騒動を通して明かされた「魔族と人間の架け橋たる存在で居る」という姫の胸中は、この作品の帰結として美しいものだった。魔族が姫に優しくしてくれたことも、姫が魔王城で楽しく過ごしていることも、今まで描かれてきた全てが自分の意志で魔王城に戻る姫の気持ちを理解するのに十分たるピースになっていた。姫が人間界での生活に疲弊していたことも物語の序盤で仄めかされており、それを踏まえると目に涙を浮かべながら「楽しそうね!」とだけ伝えて姫を魔王城へ送り出すカイミーン女王の姿には涙を流す他なかった。姫と魔王の力関係が話が進むにつれて逆転していく本作は、時間と共にどんどん面白くなるアニメであったし、その面白さと感動的な話が合わさって生まれた素晴らしい最終夜だった。

 

今年はそんなに本数見れなかったので、2021年はもうちょっとアニメ見よう。

*1:本記事の紹介順序は放送日時が早い順です。

*2:意訳

*3:無印13話でことりの留学を止めた話など

TVアニメ『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』感想/総評

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のTVアニメ放映が終了した。放映期間中の3ヶ月間はTLのお祭りのような雰囲気を楽しむと同時に、このアニメと自分の感性の噛み合わなさに苦悩した日々でもあった。良いと思った話もあれば、イマイチ刺さらなかった話もあり、元より虹ヶ咲が現実で行ってきた活動が好きだった私にとっては、アニメをアニメとして評価したい気持ちと、肯定的に受け止めてこの先の虹ヶ咲も追いかけたい気持ちが胸の中に共存していた。そんな訳で総評をざっくばらんに綴っていく。

 

ラブライブらしさとは

1話の放映当時、私はこのアニメを見て「ラブライブらしくないな」と思った。 当時の根拠は「無印やサンシャインとは特にライブシーンのリアリティライン*1が異なる」や「キャラクターの仕草にわざとらしさが無い」を挙げているが、今考えると当たらずも遠からずに思える。この「らしくなさ」は回を重ねる毎に色濃くなり、私はこのアニメを今までのラブライブシリーズとは全く別のアニメだと思っている。さて、無印及びサンシャインのどこに「ラブライブらしさ」を見出すのは人それぞれだが、私は「キャラの感情に嘘が無いこと」がラブライブらしさだと考えている。詳しく書くと長くなってしまうが、例えばことりと海未がなぜ穂乃果と一緒にスクールアイドルをやろうと思ったのかも、津島善子が堕天使を好きな気持ちを捨てきれずに居たことも、アニメの中でその根拠が明確に描かれており*2*3、多くを通してキャラクターの感情が自然と入ってくる作劇になっている。そしてこれは無印とサンシャインに共通する特徴だと思う。

一方で虹ヶ咲のアニメはここが徹底されていないように見えた。根拠自体は描かれているが、明確とまでは行かないという言い方が正しい。歩夢が侑以外のファンを好きになった描写も、侑が音楽を始めたいと思った描写*4も出方に唐突さがあり、もう一押し見ている側の感情を誘導してくれるような描写が欲しいと思った。この明確な根拠を描写しない作風は、8話のラストシーンでは桜坂しずくというキャラクターの読めなさに貢献していたり、侑が歩夢に音楽に興味があると打ち明けるシーンでは「どうして言ってくれなかったの...」という歩夢の気持ちとリンクする作りになっており悪い事ばかりではないのだが、結果としてはそこまで深くは刺さらなかった。ただその作風とは打って変わって、6話では璃奈の感情の変化が分かりやすく描かれている。特にAパートで「自分は変わった」と言いながらもずっと無表情で同好会の面々と過ごしているシーンをこれ見よがしに描くことで、Bパートで璃奈が感じる絶望に気持ちが付いていく構成になっており、虹ヶ咲のアニメの中でも異彩を放つ好きな話だ。

 

・アニメの主題と「あなた」

虹ヶ咲には「あなた」という概念がある。その出自は古く、1stアルバムに収録されている「夢への一歩」を始めとした楽曲*5の歌詞は、曲を聴いている「一人」が意識されている。その一人こそが「あなた」であり、そこに曲を聴いている自分自身を重ねる。少なくとも私は虹ヶ咲をそのように楽しんできた。アニメ化に際しては、その「あなた」という概念に名前とキャラデザとCVが付いたことに少しだけショックを受けた。何故なら上原歩夢の言っていた「あなた」とは私のことではなく、可愛い容姿を備えた別の女の子だったからだ。このような感情を持ちながらアニメに臨むことになったが、13話を見終えた今は不思議と納得感がある。高咲侑は間違いなく「あなた」だったが、「あなた」は高咲侑だけではなかったからだ。

虹ヶ咲のアニメが意識的に描いていたことの一つとして、「ファンの存在」があると思う。無印やサンシャインでも彼女たちをアイドルとして見て好きになる人々の存在は度々描かれていたが、その出番はアイドルに比べたら圧倒的に少なく、同じキャラが複数回出ることもなかった*6。それを踏まえると、虹ヶ咲が璃奈のクラスメイトや副会長を含めたファンの存在をいかに多く描いていたかが分かる。このアニメに於いて、アイドルとファンの関係は限りなく対等に近い。ファンの好きという気持ちが12話の歩夢の気持ちを動かしているし、スクールアイドルフェスはアイドル側だけでなく、ファン側の願いも叶える場所であった。アイドルにはファンが付いているのと同様に、ファンにはアイドルが付いている。13話で流れた楽曲は「あなた」へ向けて歌われているが、このライブは侑だけでなく、画面の前に居る自分に向けても歌われているように思えた。「あなた」はたった一人ではなく、虹ヶ咲を見ている皆なのだと気付くのに時間は掛からなかった。少しの寂しさはあるが、「あなた」という概念でファンとアイドルをずっと繋いできた虹ヶ咲が描くべくして描いたお話だったように思う。

 

 ・仲間でライバル

仲間でライバル。これもアニメの中で繰り返し描かれたことの一つと言っていいだろう。 私自身、アニメ化の前からこの「仲間でライバル」という虹ヶ咲9人の関係性が大好きだった*7。1stライブではアンコールに出るアイドルを一人だけ選ばなければいけなかったり、AbemaTVのウルトラゲームスでは、イメージガールを決めるためにキャスト同士が数多くの対決を繰り広げてきた。競い合うことの多さは時にネガティブな感情を想起させたが、そんな歪んだ構造が1stライブの鬼頭明里さんの名MCを生んだし、間違いなく声優アイドルコンテンツとしての虹ヶ咲の魅力の根幹を形作っていた。アニメではギスギスした雰囲気を出すことを避けている為か、仲間の側面がライバルより多くフィーチャーされたが、それでも現実の虹ヶ咲が身体を張って作ってきた関係性がアニメで描かれることには嬉しさがあった。6話で璃奈ちゃんをステージに送り出す8人が「頑張れ」とエールを送るのも、9話で果林さんが同好会のみんなとハイタッチをしてからステージに向かうのも、挫けそうな誰かをまた別の誰かが励ます光景も、どこかで見たことのあるものだった*8。だがこれはアニメそのものの面白さと言うよりは、虹ヶ咲の今までの歩みを踏まえた上での面白さである為、アニメに対してあともう一押し何か...!という気持ちも少なからずある。もしアニメから虹ヶ咲に触れていたら真っ白な土台からアニメを楽しむことが出来たであろうが、虹ヶ咲と共に過ごしてきたこの2年と少しの間に得た情動には計り知れないものがあり、間違いなく宝物だと言える。この宝物とはもう少し一緒に居たいから、私はこのアニメと和解し適当な場所に妥協点を見つけて、恥ずかしながらも生きながらえていくのだ。

 

 

最終的な総評としては、描かれたものは好きだが描かれ方が好きでなかったに落ち着く。これからもゆるゆると、虹ヶ咲の未来を見ていきたい。

*1:アニメのシーンが劇中で現実として扱われるか、虚構として扱われるかの度合い

*2:一緒に木登りをして素敵な景色に出会えた昔の経験から

*3:校内で不意に堕天使のキャラが顔を出してしまうシーンや、夕日の中で黒い羽根を名残惜しそうに見つめているシーンから

*4:侑がピアノを弾いている描写は音楽に興味があると言うよりは CHASE! が特別に好きという描写に見えた

*5:あなたの理想のヒロイン、CHASE!、ドキピポ☆エモーションも同様に一人を意識した歌詞になっている

*6:ヒフミやよいつむはファンではなく学校の友達や仲間として描かれている印象

*7:詳しくはこの記事に記述。

*8:主に校内マッチングフェスティバルのMC及びメイキング映像で

12/24 イベントに行った話とかゲームの話とかライブの話とか

・ラジオアニメージュ

12月19日、久保田さんを見にラジオアニメージュのイベント6 第一部に参加してきました。会場は九段下にあるサイエンスホールで、鬼頭明里さんが1年と少し前にリリイベを行った会場でした。少し懐かしい。

席は前から6~7列辺りで、かなり見やすい位置でした。久保田さんは相変わらず可愛いですね。イベント内容と言っても久保田さんがゲストの亜咲花さんと(ドギツイ)オタクトークを繰り広げるだけのイベントなので、特筆する話は無かったですね。ただただゲラゲラ笑いながら2人のトーク聞いてました。

久保田さんの拘りの話とか、古のインターネットの話が面白かったです。因みに僕の古のインターネットは、おジャ魔女2chスレ、ポケ徹の荒れてる育成論のコメント欄、怪盗ロワイヤルでした。いにしへ~。

と言う訳で、至って普通のトークイベントでした。まぁでもイベントには行った方が良いですね。イベントそのものも楽しいですが、人前にちゃんと立てる程度のオシャレをして出掛けること、会場近くの飯屋で美味しいものを食べること、そこ含めてイベントですから。2020年は去年に比べて本当にイベントが無い年になってしまったので、その隙間を埋めるかの如く2021年は外に出る機会を増やしたい。

 

・風花雪月やってる

FE風花雪月をプレイしています。黒鷲の学級の教団ルートをクリアして、いま青獅子の学級をプレイしてる最中です。一周目では帝国ルートか教団ルートかを選ぶ選択肢で小一時間悩んで、エーデルガルトについて行かない選択をしましたが、ちょっと後悔してますね。エーデルガルトはめっちゃ好きで、それこそレアに比べたら100倍くらい好きなんですけど、やっぱり学院に残って生徒の面倒を見ていたい気持ちが勝りました。教団ルートだったので、エーデルガルトの真意や懐には深く入り込めませんでしたが、帝国側も剣を取らざるを得ない事情のような物がありそうに見えたので、それは二周目で確かめます。

風花雪月ですが、ゲームシステムがとても好みでした。生徒各々に得意な技能があり、それを伸ばすことで様々な兵種にクラスチェンジできるシステムが良かったです。僕自身、昔からFEを育成ゲームとして楽しんでいる節があり、特にGBAの烈火や封印では闘技場でお気に入りのユニットを全員レベルMAXまで育てていました。まぁそのせいで攻略評価は星1つでしたが…。兵種によって使える武器が制限されないのも良かったです。弓技能を上げたファルコンナイトは実質金鶏武者ですし、剣と槍と斧をある程度扱えるようになれば、誰でも兵法者です。自由な育成が出来るのは楽しかったです。GBAでは1人につき1兵種だったのが、DSでは転職出来るようになり兵種も格段に増え、Switchではそもそも自分でなる兵種を選べるというのは、正当進化という感じがしますね。

楽しいので全ルートプレイしようと思ってます。

 

楠木ともり Birthday Candle Live 『MELTWIST』

12月22日、楠木ともりさんのBirthday Live をオンラインで見ました。非常に…良かったです。

家で落ち着きながら見れるライブにする、と楠木さんは仰っていましたが、その通りのライブになりました。キャンドルに囲まれながら歌う楠木さんを画面越しに見ながら飲むハイボールの美味さですよ。時には目を閉じて、流れてくる音楽にじっくりと耳を傾ける時間はとても上品なものでした。

いつも通り(?)カバー曲の歌唱からライブが始まると、中盤では自身も出演したデカダンスのEDを歌い上げ、後半はオリジナル曲で締めるライブの構成でした。特筆すべきは、これらの曲が今日の為にゆったり目にバンドアレンジされてる事です。お陰で会場の雰囲気に、今日という日にピッタリの曲たちに仕上がってました。EPに収録されているバージョンも良いですが、落ち着いたアレンジver.も好きです。

なんと言うか『音楽を聴く・聴かせる』ことに特化したライブだと思いました。ライブの楽しみ方というのは様々あり、声を出して盛り上がるとか、自由にノるとか、暴れるはその最たる例です。オンラインライブでも同じように楽しめたら良いのですが、それは少なくとも自分には無理です。楠木さんの今回のライブはそう言った楽しみ方は出来ないと割り切って、純粋に音楽を『聴かせて』楽しませようとする意図を感じました。そして、聴くだけでも十分に楽しめるライブが出来ることが、楠木ともりというアーティストの凄いところだなと改めて思いました。以前より楠木さんのライブにはアーティスティックな雰囲気がありましたが、今回はその一面を更に尖らせたライブになったと思います。個人的には嬉しい取捨選択でした。可愛いだけでなく、こんなライブも出来てしまうなんて…恐ろしい子

未だに楠木さんが自分の3つ下の21歳という事に違和感というか信じられなさを覚えます。何だか背筋が伸びる思いです。勿論このブログも仕事の合間を縫って書いてます。本当です。遅ればせながら、誕生日おめでとうございました。

12/14 スクスタ21章とLiellaの話

日記は書いた方がいいらしいね。

 

・スクスタの話

ちょっとだけ放置してたスクスタのストーリー21章を読んだら思いの外面白かった。もしかしたら今までで一番のストーリーだったかもしれない。20章も個人的にはかなり面白く感じていて、1stシーズンのような虹ヶ咲がμ'sとAqoursとわちゃわちゃやってるだけの虚無みたいな話よりは全然楽しく読めた。「あなた」ではなく虹ヶ咲の9人がストーリーの中心に居ることと、しずかすなり、エマかりなり強めの感情のぶつけ合いが行われてる事は嬉しく思う。ただ、やはりランジュのキャラクター性には引っかかる部分もあり、悪気は無いけど自分の理想は押し付けるよ!という行動は栞子のやってきたことと同じ過ぎて、またそういうキャラが敵ポジションなのねという感じはある。

1stシーズンでは、同好会の部長として「あなた」が表立つシーンが多く、μ'sやAqoursも頻繁に登場していた為、虹ヶ咲9人の物語がどこか端に追いやられてしまった感が拭えなかったが、21章は間違いなく虹ヶ咲の物語なのだなと思えた。特に21章では、ずっとしずく一人の心の動きにフォーカスしているのが凄く良かった。しずくが部で感じていた違和感や、かすみんのライブを見て湧き上がる何かを通して、部と同好会の違いが明確に描かれてたのも良かった。因みに僕はしずくがかすみんのライブを見るシーンで泣きましたからね。スクールアイドルがまず居て、その人自身を表現する為に曲がある同好会の在り方に対して、部はまず完成された楽曲があって、その曲を表現する為にスクールアイドルが居る。この順序の違いこそが部と同好会の明確な違いなのだとちゃんと描いたのは凄いと思う。いや本当にもっとあやふやな答えになると思っていたので。ラストの『聞いてください…あなたの理想のヒロイン』からのあなたの理想のヒロインステージも良い演出だなと思った。こんな演出されたら、センターにしずくを持ってきて衣装もちゃんと揃えてライブしたくなっちゃうし、ここはストーリーというよりゲームとしての面白さがあったなと思う。ランジュへの嫌悪感に振り回されちゃってストーリー読めない気持ちも分からなくは無いけど、僕はよく出来たストーリーだなと思いますね。スクスタのしずかす、安心する。

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・Liellaの話

Liellaのキャストが発表されてTLがかなり盛り上がりましたね。有名なコスプレイヤーだったり、元アイドルだったり、まだ誰の手垢も付いていない公募の人だったり、なんと言うか『声優』という肩書きに拘らない辺りが、漠然といつものラブライブのキャスティングだ!と思いましたね。改めて見ると、虹ヶ咲学はのキャスティングはラブライブとしては異例と言うか、本当にアプリゲームが発祥だから、それを踏まえて『声優』としてやって行く人を集めているなと思いました。事実、虹ヶ咲として活動していながらも、他のアニメに出演する機会が恐らく他のグループに比べて体感かなり多いです。はい、虹ヶ咲のお陰で僕も今ではなんちゃって声優オタクです。オタクでは無いですが。

アイドル上がりの声優も今では珍しくなくなってきましたね。まぁなんてったって、元アイドルである文脈をキャスティングなり、ストーリーなりに反映させる時代ですから。色んな場所でパフォーマンスをしてきた人達の次のキャリアとして「歌って踊る声優」という職業があるの、なんだかとても良いですね。時代が進むにつれてどんどんマルチになって行くというか、声優とかアイドルとか、タレントとかパフォーマーとか、そういう職業の隔たりが無くなっていくのを感じます。時間と共に言葉の定義が変わっていくというのはよく聞く話ですが、『声優』という言葉ほどここ10年で意味が変わった、いや変わって無いんですけど、その言葉に内包される意味が増えた言葉は中々無いのかもしれないですね。

まぁ僕はラブライブ!スーパースター!がアニメ化されるまで何にも触れないで行こうと思ってるので、絶対に顔の良い女には屈しません。絶対にだ。覚えとけ!

12/5 いーや昨日の出来事を今日の日記に書いてもいい

・ぺこぱの話

シャドバのアニメを見てるとCMでよく見るんですよね、ぺこぱ。今はこんな人たちが人気なのね~程度に思っていたのだけど、漫才を見るとこれが中々悪くない、むしろ良い。元々オスカーの芸人部門に居たという話をフォロワーに聞いていたのだけど、あぁ確かに完全に他人事とは思えない感じがある。オスカーのアイドルを追って、グループの解散と共に散り散りになっていくメンバーを見てきた身としては、オスカーの芸人部門が解体されて散り散りになったオスカー芸人達の想いを背負ってM-1の決勝に向かうぺこぱというのは、必要以上に激的に見えたのかもしれない。4年前にすえまつ目的でソラトニワに通っていた時に勝又(オスカー芸人)さんのラジオを少しだけ聞く機会があった、まぁ内容は本当に何も覚えていないのだけど。こう、オタクをしていると『繋がる』瞬間って偶にあるじゃないですか。推し目当てに見た舞台で共演してた人と違うコンテンツで再開したり、好きになった声優さんが自分が好きなアニメに実は出演していたり、結局はただの自己満足ですけど、自分の中で何かが繋がる時って気持ち良いんですよね。昔の自分の行動に有意味感を見い出せるし。今後もそういう何かが起こってほしいなという思い。

・鬼滅の話

コミックス最終巻を読みました。いやぁ、面白かった。9巻を読んだ時は感動したと同時に、不思議な漫画だな~と思った。人間という生き物の命の儚さを描いていて、何となく哀愁漂う感じがとても好みだった。実は鬼滅はアニメよりも原作の方が好きだったりする。鬼滅の刃という作品に流れている物悲しさは、白黒の世界に細い線と優しいタッチで描かれる漫画という媒体によく合っていると思う。この雰囲気は整った作画と色彩を使うアニメでは出せない。アニメも面白いが、アニメの好きな部分は漫画では表現出来ないアクションシーンで、アニメと漫画でお互いに見所を補完している印象がある。

9巻では不思議という感想を抱いたが、いざ最終巻まで読んでみると、意外と描かれたことは単純だった気がしてくる。人の思いは潰えない。人間の命の儚さも、否応なく理不尽に消えていく命も、人の思いが受け継がれ無くならないことを際立たせる為の描写であったと今になって思う。最終話では急に現代の話になるが、人の思い(または血脈)が受け継がれていることや、理不尽に命が脅かされることの無い生活が淡々と続いていく様は、それこそ炭治郎たちが思い描いていて世界だし、鬼滅の刃の幕引きとしてこれ以上無いとさえ思う素晴らしさだった。いや本当に素敵な作品をありがとうございますという気持ち。ちょっと読み返すか…。