ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

学生最後の日。

今日は3月31日だ。一応、これで学生という身分は無くなってしまう。なので何となく今日には特別なものを感じていたが、やった事と言えばいつも通りモスバーガーに行き、ポテトを食べながら軽く勉強をし、その後川沿いを2時間ほど歩いただけだ。後はアニメを見たくらい。今期のアニメは今日で全て終わる。

新生活を前に何かアニメを見たくなったので、昨日と一昨日を使って「さくら荘のペットな彼女」を全話見た。先日買ったアニメスタイルに触発されて、いしづかあつこ×花田十輝のアニメを見ようと思ったのが手を出した主な理由だ。まずは、花田さんが脚本を書いて、絵コンテをいしづかさんが切ってる8話から再生した。これがめちゃくちゃ面白くて、いや勿論1~7話の知識が全くないから話の細部までは分からないんだけど、それでもボロボロに泣かされた。本当に面白いアニメって、こうでなくっちゃな…みたいな。今の時代、配信を使って簡単に1話から順番に見れる時代だから、こういう遊びはやっていかないとなと思う。テレビの電源を入れて、たまたまやってたアニメに釘付けになる懐かしい感覚。偶然が幾つも重なって、たまたま目に入ったアニメが、図らずも掛け替えのないものになったりする。アニメのそういうところ、めちゃくちゃ好き。

8話の話に戻すと、とにかく「青春」を切り取るのが上手くて、でっかい花火を背景に仲間と一緒に坂道を全力疾走するシーンがあるんだけど、それが好きで堪らない。心がぐわぁーって熱くなる。しかも8話は主人公が今まで重ねた努力を否定される話で、否定されて自分の中に生まれたマイナスな感情を拭い去るには結局やるしかない、挑戦し続けるしかないって話でもあって、本気になることは怖い、だって本気でやって失敗した時に生まれた悔しさや虚しさはずっと自分に付き纏うのだから、でもその分本気になるって楽しいことだって話でもある。こんな話、僕に好きになるなと言う方が無理っぽい。

と言う訳で全話見た。何より、今のこのタイミングで見れたのが一番良かったと思う。現実は理不尽で辛い…ってタイプのアニメで、いしづかあつこ監督の生々しく世界を切り取る作風と物語が噛み合ったかと思えば、ギャグやエッチな描写、下ネタまでもが生々しく描かれていて、辛い気持ちを和らげてくれたりもした。エッチな描写が幾度となく挿入される作風と、何かに本気になる物語という僕の大好きな要素が良い塩梅で組み合わさってしまった最高の作品だった。

明日から社会人になるらしい。春休みをのほほんと過ごしていた自分の心にとって、このアニメは必要な刺激だったのだと思う。仕事に本気になれるか分からないし、そんなのやってみないと分からないけど、もし本気になれるのなら、それは意外と悪くないのかもしれない。本気になれなかったら、まぁその時はその時だ。