ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

2023年夏アニメの雑感

・総評や諸々
2023年夏クールは正直に言うとあんまり真面目にアニメ見てなかったな〜という自覚があります。理由として単純に面白いアニメに多くは出会えなかったというのが一つ、7月〜8月にかけて良いイベントが多くあった関係で余韻に浸ることを優先したかったからというのがもう一つです。結果として視聴を辞めちゃったり流し見しちゃったりで良くなかったです。来期はもうちょっと真面目にアニメ見よう。ただ、クール終盤にMyGOを見て、ちゃんと感動して思ったことをまぁまぁ文字に起こせたのは挽回できた気がして良かったです。最近はやっぱりアニメをリアタイ・実況するのは自分には合わないな〜というのを感じていて、インターネットで不特定多数とワイワイガヤガヤが出来なくなってきました。人とアニメの話をするのもまぁ好きではあるけど、どちらかと言うとアニメと自分の2人きりだけの時間の方が好きです。ブログやツイートの下書きを開きながらアニメについて考えて、書いては消してを繰り返してる時間を大事にしたいなと思う今日この頃です。話しすぎました。各アニメを軽く振り返ります。

 

・Lv1魔王とワンルーム勇者
ガヴリールドロップアウトの2期かと思ったら、意外と元勇者パーティの4人の今の話をする社会派のアニメでした。国家間の争いごとにまで発展した問題を土下座でなんとかするのめっちゃ良かったです。

 

・おかしな転生
最近の転生ものは死に方が一々面白いなと思いました。序盤こそしょっぱかった(お菓子だけに)ですが、婚約者が現れてからは萌えもありで楽しかったです。貴族間の抗争や政略にまでお話のスケールが大きくなると大体面白いですから。

 

・夢見る男子は現実主義者
こういう学校に居る可愛い女子と次々に仲良くなっていくアニメってやっぱり良いよなという気持ちになれました。肝心の夏川が思ったよりちょろいのと、中盤完全に空気になっていたので、最終的には周りのキャラの方が魅力的に映りました。JD風のJC最高!

 

・好きな子がめがねを忘れた
良いアニメでした。全話面白かったと言うよりは、9話がクリティカルヒットした感じです。女の子が今までの関係を少しづつ恋だと気付き始める…その瞬間の尊さが溢れた話でした。萌えさん三重すぎる!

 

・Helck
1話~2話あたりの魔王を決める大会をやってた時はかなり面白かったけど、それ以外はあんまり面白くなくて残念でした…。

 

・自販機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う
唯一無二のアニメでした。絵柄と関西弁の本渡楓ボイスは好きでしたが、お話が面白かったかと言われたら微妙…というところ。俺にはレベルが高すぎたかも…。

 

・私の幸せな結婚
序盤、美世が清霞の元で「ここに居て良いんだ…」と気付いたり、急に異能バトルが始まるのは良かったです。2人がすれ違い始めたり斉森家の話が出てきてからはう〜んという感じでした。

 

・白聖女と黒牧師
萌えはあったけど…みたいなアニメでした。牧師の人に人間味を感じられなかったのが痛かったです。

 

BanG Dream! It's MyGO!!!!!
2023年夏トップアニメーション。バンドリアニメMyGO感想文コンテストという催しに参加して、noteを書いちゃうくらい良かったです。他の参加者のnoteも読ませてもらいましたが、中には凄く良い文章を書く方も居て自分もまだまだだなと思いました。自分は今インターネットに蔓延っている考察文化のことを良くないと思っているので、そういう気持ちの表れとして感想文っぽい感想を書きました。フィクションは楽しい物語だけでなくて、こういう悲しくて切ない物語も同じようにあって、それにどうしようもなく惹かれました。アニメを見て悲しくなったり、辛くなったりすることが大好きなんです。

高尾奏音さんとBanG Dream! It's MyGO!!!!!の話|きうぽよ

 

・悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民のために尽くします
主人公のことはそこまで好きになれませんでしたが(別に何もしてないのにゲームを思い出して勝手に加害者の面をするのが良くない)、一方で主人公の行動に救われた側のキャラクター達はどれも魅力的で見ていて楽しかったです。あとは月詠みのOPが良かったですね。イセレベが好きすぎて月詠み加点が入るようになりました。

 

・スパイ教室
環境声優勢揃いアニメーション。アネットちゃんだけちゃんと騙し合いをしてたのは良かったです。スパイものはどうしても色んな作品と比較されがちなので、真面目ぶるよりはもっと萌えと極上を擦り倒しても良かったのになと思いました。

 

・聖者無双
異常な絵面が飛びててくるOPの奇抜さとは裏腹に、物語自体はとても暖かみのあるというか、人と人の繋がりから生まれる素朴な良さを感じさせるアニメでした。転生貴族や賢者の孫なんかもそうですが、やはりおじさんやおじちゃんに愛嬌があるアニメはどれも良いアニメで、聖者無双もその一つだったかなと思います。師匠…。

 

・七つの魔剣が支配する
序盤こそ面白くなくてどうなることやらと思っていましたが、萌えのある主人公の従者が出てきてからは結構楽しく見れました。急に画面が萌えつくのめっちゃ良い。てか15話構成でまだ終わってないのマジ?

 

・AIの遺伝子
2023年夏トップアニメーションの一角。まず放送期間に恵まれてたなという気持ちがあって、ChatGPT等の大規模言語モデルを私みたいな一般の人でも使えるようになった時期に放送できたのはタイミングが良かったと思います。1年前と比べたら、AIを搭載した人型のロボットが生きている社会というのはだいぶ想像しやすくなっていたでしょう。ヒューマノイドが医院を訪れて脳に電極をぶっ刺して治療するシーンの絵面は面白いなと思いつつ、その実やってることは人間に薬を投与することと何ら変わらなくて、遠回しに人を治療するといことはどういうことかを描いていたのが良かったです。科学技術が発達した未来で人間がどういう生活をするのか、何を思うのかの描写に説得力があったのと、逆に人間の何が変わらないのか、相変わらず愚かで…ちょっと良いところもあるという筆致にも納得があって好感触でした。2023年の10選に1エピソードは取り上げて感想書きたいなあ。

 

・デキる猫は今日も憂鬱
主人公の娘は可愛いし画面も良かったけど、お話にはイマイチ乗れなかったかな〜。日常を描いたアニメには関係性の変化みたいなものを期待してしまうのだけど、結局主人公と諭吉の間の話に終始しちゃって、諭吉の存在がバレたりするイベントもなくて単調になっちゃってたな〜という印象。

 

・レベル1だけどユニークスキルで最強です
クールに1つはあってほしい柳瀬監督枠。物語の終盤になって高尾奏音さんの演じるキャラが出てくる柳瀬監督作品は名作ですからね。(リアデイルの大地にて)

 

・ライアー ライアー
2023年夏トップ萌えアニメーション。私は首藤志奈さんとSMILE PRINCESSさんが好きなので、それだけで価値のあるアニメでした。SMILE PRINCESSのタイアップするアニメがプラオレより面白かったらプラオレの立場がないので、そういう意味でもライアーライアーはちょうど良いアニメだったと思います。気楽に見れて、よく分からないけど、ちゃんと萌えはある。個人的には主人公が島に残らなきゃいけない理由や更紗と入れ替わった友達の行方とか、そっちの話が進むと嬉しかったかなぁ。ラノベ原作アニメのしょうがないところですね。

 

・うちの会社の小さい先輩の話
1話で茂みに向かって「にゃおーん!にゃおーん!」と叫ぶ先輩を見て「このアニメは…来ますよ!!」となっていました。期待よりは跳ねませんでしたが、最終話は結構良かったので耐えました。セクハラだ何だと規律に厳しい現代社会において、会社の人という関係から私的な関係に発展するのって特に異性だと見た目以上にハードルが高いなと思っていて、いきなり2人が付き合うのではなくて友人になるという締めは、会社の人と関係を進めていく難しさってあるよね〜というオフィスラブコメらしい一面が出ていたと思います。あとは率直に下品さのあるアニメだなとも思うんですけど、やっぱり私は下品なアニメが好きだし、この先も次々と下品なアニメが作られてほしいなと思いました。

 

・てんぷる
愛美や芹澤優みたいな30歳前後でステージにも立ちながら声優をやっている人を、このエッチなアニメにキャスティングしていたのが非常に好感触でした。お寺という場所が人の未熟さみたいな話をする上で上手く働いていたような気がします、多分きっと。性欲と向き合おうとするアニメ自体がとても好きで、大げさな言い方をすると、人間が繁栄してきた歴史の中で性欲というものは重要なファクターなのだから、それをさも無さそうに描くアニメはどこか遠くの世界のことのように思えるし、逆にちゃんとあると認めたアニメだけが真実味のある世界を描けると思っている節があります。てんぷる、もとい赤神くんというキャラクターはそういう真実味を帯びていましたが、だからこそもっと人の弱さ・未熟さみたいな話を真剣にやってくれた方が嬉しかったなという気持ちがあります。

 

・実は俺、最強でした?
女王を倒してからはかなり見やすくなったかなと思います。学園編は何だかんだ楽しく見れました。結局魔王とか暗躍してる女王とか何だったんだよ!というのはありますが。シャロと氷のドラゴンが萌えキャラで良かったです。

 

・青のオーケストラ
面白くない話と面白い話を反復横跳びするようなアニメでした。先輩キャラがどれも良くて青野くんと先輩の絡みはお気に入りな反面、友達同士の話はちょっと窮屈だったかな。前田佳織里ボイスの3年の先輩良すぎる。

 

・幻日のヨハネ
まぁそんなに面白く無かったですね…。アニメの面白くなさ以上に、自分が今のAqours、今のラブライブサンシャインに対する興味を失っているんだなと自覚した3ヶ月だったなと思います。

 

・英雄教室
2023年夏トップアニメーションの一角。こういうアニメに出会うために毎クールアニメを見ているというのがあります。勇者がその任を終えて学園で平和に暮らすというストーリーで、2クール前の王者、冰剣の魔術師が世界を統べるを思い出させます。あちらも幼少期を戦場で過ごした少年が学園生活を謳歌するというストーリーで骨子は大方同じです。アーネストを始めとしたキャラがみんな可愛かったのは勿論のこと、友達という距離感が上手く描けていたと思います。ブレイドはクラスメイトで友達な訳ですが、あいつ強すぎる皆で倒そう!となったり、暗殺者に狙われた時は守ると言うよりも敵側に立ってやっちゃえー!みたいなノリになるしで、学生同士のふざけ合いのような緩さ/リアルさがあったのが良かったです。どのエピソードも良かったけど、ベストエピソードはやっぱり誕生日回かな〜…。

 

無職転生
相変わらずのクオリティの良いアニメでした。魔法大学に行く前の自暴自棄になってるルーデウスの人間くささみたいなのが良かったです。(まあ元から人間くらいキャラではあるけど!)

 

終わり。

2023.9.18 MyGO!!!!!の話

2023年夏アニメの雑感で書こうと思いましたが、ここだけで長くなってしまったので別で投稿します。

MyGOの1話を配信開始当時に見た時は、全編3DCGのアニメは作画特有の省略やデフォルメの表現が出来ないからあんまり嬉しくないな〜というのがあり2話から見ていませんでした。が、高尾奏音さんのバースデーイベントに行き色々な話を聞いたので見ようと思い、最終話の本放送が終わってから配信で一気に見ました。いや~~~、非常に良かった。久々にブシロード発の面白いアニメ見れて大満足……。

正直なところ2話からかなり感触が良くて、まずOPとEDがとにかく良い。アニメってOPとEDを好きにさせたらもう勝ちじゃないですか。良いOPって視聴者を物語や画面に対して真剣にさせる力があると思うんです。バンドアニメのセンターがボーカルだけやってたり、アニソンでは中々聞かないような歌声が響いていたり、目新しさとキャッチーさがあってアニメへの没入を手助けしてくれていました。

作品に対する印象として、物語よりも先にキャラが来るというか、キャラクターが生きてるアニメでした。それぞれに大事なものがあって、自分の生き方があって、それに従って全員が思い思いに行動することで物語になっていくタイプのアニメで、そこにあるのは生々しさでした。壊れてしまったものはもう元には戻らないし、あの頃の楽しかった日々をいくら追い求めてもそんなもの手に入らない…という残酷さがあって、傷付いたり悲しんだりするけど、悲しみは悲しみのままに受け入れて、心にしまって生きていこうとする、そんなアニメでした。豊川祥子が最後まで自身の身に起こったことを周りに打ち明けなかったことも、彼女の選んだ生き方であり気高さでもあり、人の人生に立ち入ることの難しさがあって、この作品の生々しさを象徴していたと思います。

高尾奏音さんが演じているというのも勿論ありますが豊川祥子というキャラクターがとにかく良くて、個人的にはこの作品の主人公の一人に数えてました。豊川祥子がCRYCHICを辞めてから始まった物語なのだから、最終話で豊川祥子がこの先何を思って、どう生きていくかが描かれるのは筋が通っていると思います。自分の作ったCRYCHICの元メンバーが集まって自分抜きの『春日影』を見せ付けられて、過去の楽しかった思い出さえ辛く塗り替えられてしまった少女から発せられる「我、忘却を恐れるなかれ」の言葉より悲しい言葉はそうそう無いでしょう。

ここからは声優オタク崩れの言葉ですが、豊川祥子を高尾奏音さんが演じたから出た味がかなりあったと思います。まず高尾さんが気高いタイプの、それも人に冷たい言葉を浴びせるお嬢様の役をやっていることにとてつもない嬉しさがあります。普段は見ない珍しい役柄だったのと、物語の雰囲気にもマッチした演技で正直この声を聞けただけで5億点でした。本当にめっちゃ良かったので、こういう役柄の仕事がもっと増えてほしいと思います。13話ラストシーンの「ただいま、クソ親父」を見た時は辛くて1分くらい「グギギギギ……」と声にならない呻き声を上げていましたが、演技とはいえ家族と仲良くて、なんなら1年ほど前まではお母さんに美容院に連れて行ってもらっていた人の口からこの言葉が発せられているのが信じられなくて、声優追いかけてる癖に初めて演技って凄い…と感動しました。回想シーンではカラオケのドリンクバーではしゃぐ描写があったりと、お嬢様のキャラを本物の(お風呂の栓を知らなかった)お嬢様が演じるから出る良さもあったりして、アニメ好きとしても声優の追っかけとしても十二分に楽しめたアニメでした。

高尾奏音さん…もっとこういう役やって下さい、最高なので…!

【マイマイルドじゃんけん真剣部】vs菅野真衣におけるじゃんけんの最適戦略に関する考察

この夏の自由研究です。

初めに

菅野真衣のマイペースマイワールドには番組終了前にじゃんけんをする名物コーナーがあります。今回はそのじゃんけんで勝率を最大化する戦略を考えます。アプローチとしては、菅野真衣さんの出す手が従う法則性を仮定し、それに対して高い勝率の出る戦略を示します。2023年8月30日現在、ニコニコ動画には第30回までのアーカイブが上がっている為、そこまでの手を分析の対象とします。第25回はマイマイルド公録回で菅野真衣さんの口から出した手の情報が出ていませんが、一旦パーとして分析を行います。(イベントだしチョキ出すでしょ読みでグー出したら負けた記憶があるような...)
また、戦略の評価は第31回以降のじゃんけんの勝率とします。分析に使用するデータを表1に、(グー)=1, (チョキ)=2, (パー)=3 とした時の出した手の変化を図1に示します。

表1:菅野真衣さんの出した手のデータ

 

図1:菅野真衣の出す手の変化

 

ではこのデータを元に戦略を考えていきます。

 

アプローチ①:菅野真衣さんの手が同一の分布から独立に実現すると仮定

グーを出す確率 g_n、チョキを出す確率 c_n、パーを出す確率 p_n が予め決まっていて、そこからランダムに手を出してくると仮定します。この時、それぞれの手を出す確率は二項分布の最尤推定の考え方を用いるとデータから簡単に推定できて、 g_n = 37.9 \% , c_n = 27.6 \% , p_n = 34.5 \% となります。

よって、最適戦略は「パーを出し続ける」でこの時の勝率の理論値は  37.9 \% です。

 

アプローチ②:菅野真衣さんの手にマルコフ性があると仮定

マルコフ性があるとは、未来の状態は現在に依存し、それより過去の状態には影響されない性質のことです。つまり「今回はグーを出したから、次回もグーを出しちゃおっかなー(この菅野真衣はフィクションである)」という具合に、次回に出す手は今回出したじゃんけんの手に依存するということです。

この考え方の下で推定した確率推移行列 Pと定常分布 \piを下記に、マルコフモデルを図2に示します。確率の高い遷移を赤字で、確率の低い遷移を青字で書いています。定常分布がアプローチ①で求めた分布に近しいものになっているのは直感的でかつ興味深い結果ですね。(はてなブログの表記の都合上、行列にカンマが入っているのは許してください)(カンマちゃんだけに)

図2:菅野真衣さんの出す手のマルコフモデル(直前の手に依存)

この時の最適戦略は「1つ前の菅野真衣さんの手がグーorパーの場合はパー、チョキの場合はチョキ」です。勝率の理論値は  49.7 \% です。

また、じゃんけんの手は3つなので、3手前の手との関連性が高い可能性があるというモチベーションの下で、次回出す手が前々回に出した手に依存すると仮定した場合(N回目の手がN-3回目の手に依存するという仮定)の確率遷移行列 P、定常分布 \piマルコフモデルを図3に示します。

図3:菅野真衣さんの出す手のマルコフモデル(3手前の手に依存)

この時の最適戦略は「3つ前の菅野真衣さんの手がグーorパーの場合はチョキ、チョキの場合はパー」です。勝率の理論値は  53.8 \% で高い結果となります。

 

アプローチ③:機械学習モデルを当てはめて法則性を探る

機械学習を用いて多クラス分類を行い、次に出す手を予測します。今回は少ないデータに対して当てはめを行える非線形SVMを用います。また訓練データとテストデータの分割は行いません。(許して)余談ですがSVMについては点と直線の距離を用いて説明した記事が分かりやすいです。

説明変数には3個前までの手と、周期性があることを仮定して第3n回、3n+1回、3n+2回の時に1となるフラグをそれぞれ用意しています。実装したものを付録に置いておきます。一対一分類は「グーorチョキ」「グーorパー」「チョキorパー」の3つ分類器を用いて、一対他分類は「グーorグー以外」「チョキorチョキ以外」「パーorパー以外」の3つの分類器を用いて分類しています。訓練データに対するフィットは一対一分類が  0.461、一対他分類は  0.846 となっており、後者のほうが当てはまりが良いです。ですが、テストデータを用意していないので実際に手を精度良く当てられるかと問われたらNoでしょう。

一応記しておくと、このアプローチでの最適戦略は「一対他のSVM分類器を用いて次回の手を予測、それに対して勝てる手を出す」です。

 

アプローチ④:サザエさんとの関連性を仮定

菅野真衣さんはラジオの終わり際に「ふっふふっふふー!」などの発言をよくします。これは明らかにサザエさんを意識しているものです。つまり、サザエさんの出す手との関連性について検討する価値は十分にあると考えます。サザエさんとの勝敗について纏めたものを表2に示します。

表2:菅野真衣vsサザエさんの勝敗

現在の戦績は13勝8敗8分けです。...菅野真衣さん、順当にじゃんけんが強いですね。後出しをしているから勝率が高い可能性も否定できませんが、この勝率であれば関連性を仮定する価値がありそうです。よって、「菅野真衣さんの出す手は、ラジオの2日前に行われるサザエさんの出す手に高い確率で勝つ」と仮定すると、サザエさんの出す手に対して負ける手を出す」ことで菅野真衣さんに対する勝率の理論値は  44.8 \% になります。

 

各戦略の評価

※2023/11/29 ラジオ言及記念の追記。
第31回~第40回のデータを用いて、菅野真衣さんの手とそれに対する各アプローチが導き出した手を戦わせます。じゃんけんの勝敗について表3にまとめます。なお、ピースはチョキとして扱います。最も勝率が高いアプローチは手法②-2で、3手前の手に依存するマルコフモデルでした。特に第31回~第35回に目を向けると、4勝1敗で高勝率を収めています。一方で手法③-2については1勝もしておらず、モデルが過学習している等の原因が考えられます。
また、9/19 以降の勝敗を見ると明らかに負けが込んでいます。この記事の初回投稿が 2023/8/31 なので、 それ以降の収録で菅野真衣さんに対策を講じられたと考えるのが妥当でしょう。悪い女!!!!(嘘です、良い声優さんです)継続的に勝ち続けるには、対策を打たれた後の癖や傾向をさらに分析・モデル化する必要がありそうです。

表3:菅野真衣vs各戦略


 

終わりに:課題と今後の展望

課題としてやはりデータの少なさが挙げられます。菅野真衣さんの手のデータが30に満たないのがネックです。またタイムシフト期間を終えたラジオはすぐに動画で上がると嬉しいです(チュチュ、頼んだ!)。このラジオがずっと続いていくためにも会員さんがもっと増えたら良いなと思います。

 

付録:実装

2023.8.26 アイカツオンパレードの話

かんまいちゃんのBDイベントで歌われたSHINING LINE*が想像以上に良くて、アイカツについてちゃんと考え直すべきだなという気持ちが高まったので、アイカツオンパレードの全話とアイカツ1年目と2年目を少しだけ見直しました。

アイカツオンパレードは…良いところもあるんだけど、このアニメのことを心の底から好きになることは絶対に無理…みたいな、自分とアイカツの間にある距離感を端的に表したようなアニメでした。良かったなと思った話数は主に7話,9話,22話,25話あたり。これは私がアイカツ1年目の「ドッキドキ!!スペシャルライブ」のことが大が付くくらい好きなのが主な原因ですが、主人公が自分の無力さを痛感するような話が好きというか、アイカツの世界観って思ったより描かれてる印象が無くて、入学して暫くアイカツしてたら(他のアイドルだって毎日アイカツをしているにも関わらず)いつの間にかトップアイドルの仲間入りをしているような世界になってると思うんですよ。で、そういう物語にいかに説得力を持たせば良いかと言うと、優しい世界観の中に主人公に厳しくしてくれるキャラクターを入れることだと思うんです。アイカツオンパレードの主人公である姫石らきに対して「あなたはまだまだそんなものじゃないでしょ」「それは本当にあなたの力なの?」と正面から言ってくれるキャラは神崎美月とエルザ・フォルテの2人ですが、この2人のおかげで物語が程よく締まっていたと思うし、姫石らきが成長していく話として多少の説得力を生んでいたと思います。あとは姫石らきちゃんが萌えキャラなのが良かったです。アニメで1番大切なのは物語ではなく萌えです。

そんな訳で姫石らきちゃんのことは結構好きだったので25話は凄く良かったです。25話はそれこそ憧れのSHINING LINE*の話をしている訳ですが、その語り口が「次の世代に繋ぐこと」の大事さを声高に叫んでいるので、まるで自分たちが長く続くアイドルの歴史のほんと一部分に過ぎないと自認しているような語り方だったのが印象的でした。本当に鬼滅の刃ばりに次に繋げ…!をやっててちょっと面白かったです。また菅野真衣さんが小島こころ役をやってるのがマ~~~ジで良くて、新人声優が新人声優っぽい発声/演技をするのはめちゃくちゃ大事と言うのと、アイプラの座長を務め上げた今見るから出る味があって良かったです。憧れのSHINING LINE*とは作中で、アイドルに憧れた少女が手を伸ばし、ステージに立ち、次世代の憧れになる時代の流れを指した言葉ですが、それに限らず、星宮いちごが、沢山のアイドルが現実の少女たちの憧れとなり、実際にアイドルになる人を生み出していることもまたSHINING LINE*なんだと思わざるを得ません。アイカツに限りませんが、やはり2010年代前半の女児アニメが今のエンタメ界に与えた影響は大きいんだなぁと実感します。

で、ちゃんと良くない話もしたい。今の自分は深夜アニメをそこそこ見る影響もあってアイカツのテンポ感がもう馴染まなかったり、画面に退屈さを感じてしまうのですが、これは不問としましょう。ですが個人的なアイカツに対する想いとして、物語が面白い/つまらない以前のアニメ制作に対するスタンスが気に入らないという気持ちがあります。「推し」という言葉が消費者ではなく売る側の人間のものになってしまっている現状を批判したツイートを先日見かけましたが、私がアイカツに対して抱いている気持ちとだいぶ似通っています。確かにアイカツ1年目の「フフッヒ」は良かった。木曜の夕方6時になった瞬間にTLが「フフッヒ」で埋まる光景は好きでした。でもそれを伝統だと言わんばかりにオンパレードでも擦られると非常に悲しくなります。ちょっと話は異なりますが崖登りだって斧だってそうです。あおいと蘭の待つスペシャルオーディションに出るために目の前の崖を登らざるを得なかったいちごの気持ちや、クラスメイトのユナちゃんに少しでも良いクリスマスを過ごしてもらいたい、と言ういちごの願いを汲み取らずに、崖登りと斧というトンチキな部分だけを切り取って定番にしてしまうことは、本当に良くないです。完全にやるなとは言いませんが、せめてそこにはお話としての必然さがあってほしいし、それが無いのなら物語として破綻していると言わざるを得ません。アイカツのそういう作劇は本当に良くないです。良くない…。

未来へのStarwayが面白い映画だったのと、菅野真衣さんのSHINING LINE*が良かったのでアイカツと完全和解の道もあるかなと思ったのですが、放送から10年経ったこのタイミングでしっかり「無理」と納得いくまで考えられたのは良かったです。アイカツほど好きで…やっぱり嫌いみたいなアニメはもうないと思うのでそういう距離感で付き合えたら良いんじゃないかな。てか新作あるのか…?

2023.8.20 声優アイドルについて

次の文章は私がとある場所に寄稿した、追っている声優アイドルについて2グループほど紹介した文章です。記事の作成に当たっては、声優アイドルを全く知らない方にはその概要が何となく伝わるように、知っている方には少しニッチな情報と私の解釈が届けられるように意識しています。以下、本文です。

 

  1. DIALOGUE+

「DIALOGUE+」とはポニーキャニオン発の声優アイドルユニットです。元々はスマートフォン向け声優育成ゲームである「CUE!」からメンバーを8人選抜して生まれたユニットですが、今ではCUE!の枠から飛び出して様々なアニメの主題歌等を歌っています。ちなみに「CUE!」は2022年にアニメ化されており、ここ10年で様変わりした声優という職業の現在を色々な視点から描いた名作です。少なくともファン目線から見たアニメ・声優業界の今を知るにこれほど適した作品もないでしょう。デビューは2019年10月頃、デビューシングルである「はじめてのかくめい!」をリリースします。この曲は「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」の主題歌となっており、以降Project No.9制作のアニメーションにDIALOGUE+の主題歌ありと言われるくらい、代名詞的存在になっていきます。ですが最近はうって変わって「久保さんは僕を許さない」「カワイスギクライシス」など、制作会社を選ばずにタイアップしている印象です。

さて、ここまで沿革について長々と話してしまいました。ずばりDIALOGUE+の魅力はと問われたら、素敵な楽曲と精力的なライブ活動、この2点に尽きると思います。…文字に起こすとなんてことは無いてすね。正直好きなアーティストを好きな理由なんて「この人の作る音楽が好き」以上のものは無いでしょう。ただ音楽に力が入っていることは何となく感じることが多いです。音楽面のプロデュースはUNISON SQUARE GARDENのベーシストでお馴染み、田淵智也さんが行っています。特に2021年にリリースされたアルバム「DIALOGUE+1」は名盤です。メンバーは声優なだけあって可愛らしくも特徴的な声を持っているのですが、この「DIALOGUE+1」にはオシャレなバンドサウンドと透き通るような声が溶け合った先で生まれる不思議な音楽が詰まっています。

ライブは毎回全力です。不定期ではありますがワンマンライブやフェスへの出演を精力的に行っています。もちろんライブアイドルほど頻繁には行えませんが、声優の仕事と並行しながらこなす回数としては破格です。ライブには毎回生バンドが付いて、音源からのアレンジや楽曲同士の繋ぎに唸ることが恒例となっています。肝心のライブですが…、狂ったように手を叩いて叫んで踊って泣いていたらあっという間に終わります。声優さんが居て、素敵な音楽があって、それに合わせてクネクネ踊って、訳も分からず笑って泣いて、これ以上の幸せはないでしょう。自分の中にあるもの全てをデトックスできます。

 

  1. 星見プロダクション

「星見プロダクション」(以下、星見プロ)とはメディアミックスプロジェクトである「IDOLY PRIDE」(以下、アイプラ)から生まれたユニットです。星見プロの話をするにはまずアイプラの話をする必要があります。アイプラは前述の通りアイドルを題材としたメディアミックス作品です。アニメや漫画に加えて、スマートフォン向けゲーム、ラジオにリアルでのライブ等の展開があり、一般的には2.5次元アイドルものと称されることが多いです。この2.5次元アイドルものにはラブライブアイドルマスターなど、息の長い作品が未だに根強い人気を博していますが、アイプラはプロジェクト発足から4年も経っていない比較的新しい作品と言えます。つい先日行われたライブでは幕張メッセ2daysのチケットを捌き切っており、いま最も熱いアイドル作品と言っても過言ではないでしょう。

星見プロには10人のメンバーが居ますが、普段は5人ずつに分かれてサニーピース/月のテンペスト(以下、サニピ/月スト)としても活動しています。この2つのユニットはお互いをライバルと認め合い切磋琢磨していく仲間として描かれます。サニピはマウスプロモーションなどの各声優事務所からオーディションでキャストが選ばれ、月ストはミュージックレイン(以下、ミューレ)の3期生がそのキャストを務めます。ミューレと聞いてピンと来た方も居ると思いますが、スフィアやTrySailが所属している事務所です。つまるところ、アイプラはミューレの新人声優を売り出す為に、サイバーエージェントとストレートエッジがタッグを組んで作ったアイドル作品です。新人声優である10人が活動の中で様々な経験を積み、花開いていく姿を間近で見守ることができるのは魅力の一つと言えるでしょう。

アイプラについて語るにあたって、その物語に言及せずにはいられません。スマホゲームのシナリオを原作としたアニメが2021年の冬クールに放送されています。アニメーション制作はLerche、監督は「あそびあそばせ」「ワールドダイスター」等で知られている木野目優さんです。かつて伝説のアイドルと謳われた少女、長瀬麻奈の事故死と、その後を継ぐ2人のアイドルの存在が物語の骨子です。主要キャラクターが多数登場するアイドル作品としては珍しく、キャラクターひとりひとりのお当番回を用意せず、あくまでも長瀬麻奈の死が今を生きるキャラクターにもたらした葛藤や後悔に焦点を絞った作劇をしているのが本作の特色です。私はこのアニメが大のお気に入りで、良いところを挙げれば正直きりがないです。強いて、強いて一つ挙げるなら、「ねぇ 偶然ってなんだっけ 必然ってなんだっけ 君と居ると分からなくなるよ」という素敵で、この物語の因果を全て引き受けたようなフレーズが最終話で歌われることです。素晴らしい。

少々話がズレましたが、星見プロとは即ちアイプラの世界から飛び出してきた声優アイドルグループという訳です。そのライブでは、物語を感じさせてアニメの世界に誘うような楽曲が歌われることもあれば、声優アイドルらしくわちゃわちゃと、会場が沸き上がるような楽しい楽曲が歌われることもあり、現代のアニメ・声優ライブらしくレパートリーは幅広いです。何が魅力かと言われると非常に難しいですが、2次元ないしアニメで描かれた虚構の物語を、丹精込めて3次元に起こそうとする姿勢、またステージの上で生身の人間が様々なシーンを演じ直す営みそのものが尊いと感じます。主演となっている方々は私より若く、そんな人たちが作品の名前を背負ってステージに立つ姿には畏敬の念を抱くと同時に、単純に「自分より若い子たちが立派にやっているのだから、少しは頑張らないとな」という気持ちにさせられます。この感情は日々を生きていく上で欠かせないものです。

過去のライブでは面白い取り組みも見られ、特に2022年9月に行われたIDOLY PRIDE×八景島シーパラダイスコラボイベントは異彩を放ちます。と言うのも、八景島シーパラダイスのある金沢八景周辺はこの作品のモデルとなっており、まさに聖地とも呼べる場所でライブが行われたからです。さらにライブ会場は水族館内のイルカショーをするステージで、声優さんが音楽に合わせて歌って踊っている傍らで普通にイルカが泳いでいるしジャンプもします。お恥ずかしながらこの趣味をそこそこ長く続けていても、声優のライブとイルカショーを同時に見れるイベントには中々お目に掛かれません。今でもファンの間では良かったと語り草になっているライブです。

これまでも沢山の素敵な景色を見せてもらいましたが、きっとこれからも素晴らしい景色を見せてくれることでしょう。2023年末から2024年初にかけては初の全国Zeppツアーも決定しており、その活躍からますます目が離せません。

 

以上。

KBS(KannoMai Birthday Summer)に行ってきたよ〜!

2023年8月13日、TIAT SKY HALLで行われた『菅野真衣バースデーイベント2023 KannoMai Birthday Summer』に行ってきました。いや~~~~、良いイベントでした。

昼は配信で、夜は現地での参加でしたが、まさかの昼でお便りが読まれるというアクシデント(?)が発生。イベントどころかラジオでもメールが読まれたことは無かったので嬉しかったです。現地に居たかった感もありますが、もし居たら食べられていたらしいので助かりました。かんまいちゃんに午後は現地と教えてくれたフォロワーもアドを得ていたようで、中々美味しいポジションでした。善行は…積んだ方が良い! 昼は浴衣のかんまいちゃんが終始可愛くて、国歌斉唱…かんまいちゃんが代という感じでした。

夜はドレス姿で登場しましたが、これまた可愛すぎる…。かんまいちゃんはお姫様のような、お人形さんみたいな衣装が本当によく似合います。ライブのセトリがまた良くて、「可愛くてごめん」や「ワールドイズマイン」は自分の可愛さやお姫様っぽさを自覚した選曲で最高でした。ですが一番やられたと思ったのは初手の「SHINING LINE*」でした。まさかこの場所でアイカツが築いてきた物の大きさを感じることになるとは…。

憧れは次の憧れを生む、憧れた者は光に手を伸ばす。そうやってアイドルのバトンは次の世代へ繋がれていく…。「SHINING LINE*」ならびにアイカツシリーズに通底している概念です。特に菅野真衣さんが小島こころ役で出演したアイカツオンパレードの第25話はこの思想が色濃く出ているお話です。小島こころは姫石らきに憧れを抱いた少女なので勿論そういう文脈は見い出せます。ですが、それ以上に菅野真衣さん自身がアイカツという作品を愛していて、その上で芸能の道に進み、ステージに立っていることに感動があります。大事なのはアイカツという作品が10年間で撒いてきた憧れの種が沢山の人々の心の中で育って、今こうして私の目の前で花開いていることだと思うんです。この日ほどアイカツが紡いできた物語の強度を肌で感じられる日はないと思います。

あとはお手紙の内容には心打たれました。言葉の節々からファンが居ることのありがたみを分かっている人だなというのが感じられたのが良かったです。菅野真衣さんの人柄に拠るものでも勿論ありますが、下積みの時代があった人ほどファンのありがたみや、イベントを開けること/それに皆が来てくれることの奇跡さを理解してるというのがあると思います。アイドル/声優の追っかけを続ければ続けるほどに絶対という言葉に意味は無いのだなと痛感する日々ですが、それでもこの人なら…と思わせるような、そんな菅野真衣さんの素敵さを全身で感じられたイベントでした。

終わ…らずに、菅野真衣さん、ハッピーバースデー!(1日遅れ)

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2023.7.29 太陽と踊れ/月夜に唄え デビューライブを見てきた

2023年7月28日、池袋のharevutaiで行われた太陽と踊れ/月夜に唄えのデビューライブを見てきました。いや〜、思いの外良かったですね。友達のオタクと一緒に「こんなはずじゃなかった」と言いながら終演後にTシャツ買いました。デビューライブのTシャツは買っておいた方が良いのでね。終演後にライブTシャツが余ってない現場は…反省しなさい!

いまの自分は専らアイプラを中心とした声優現場に通っているので、太陽と踊れ/月夜に唄えの情報を見た時には「もうこれはジェネリック星見プロダクションだろ!」と1人でテンション上がってました。実質アイプラだし、レーベルもD+なりキトアカなりSPR5でお世話になっているポニーキャニオンだったので食指は簡単に動きました。AJ系列のアイドルらしいという事は聞いていましたが、AJのことなんて全く知らんし、強いて接点を挙げるとするなら2016年にらぶどるを見にタワレコのリリイベに足を運んだくらいですかね。そんなこともあったなぁ。

現場は思ったより人が多かったなというのと、あのオタク各々が別現場で育ってきたことが分かるような雑多な感じが良かったですね。AJから来てるおっちゃんやD+から来てそうな若者、そしてジェネリック星見プロを見に来てるよく分からない人間がごちゃ混ぜになった空間は面白かったです。本当に久々、下手したら4年ぶりにスタンディングの現場に来たので、スタンディング特有のあのわちゃわちゃ感が余計に楽しかったのはあります。自分の右方向に湧くタイプの集団が居たのでMIX被せに行けたのも良かったです。デビューライブで進んでMIX打つぞ〜って気持ちにはならないけど、フロアで起こってるムーブメントには乗っかっていくくらいが今の自分にとっては丁度いいです。いや〜でも平日夜の現場で意味不明な言葉を連呼した後に公園で飲む酒が1番美味しいんだ…。最高なんだ…。

で、現場的な楽しさを話してきましたが、アイプラを好きな者として今回のライブがめっちゃ良かったという話もしたい。まず太陽と踊れのセンターの子が自己紹介で「お姉ちゃんがアイドルをやっていて…」と話した時に、これじゃサニーピースじゃなくて月のテンペストだよ!となりました。サニーピースでも月のテンペストでもない、はい…。いやでも月夜に唄えが4曲歌い終わった後にステージに9人揃った時に「これもう完全にアイドリープライド6話だろ…!」となって一人で勝手にめちゃくちゃ盛り上がってました。「サニピと月スト、どっちもよろしく~!」という早坂芽衣の声が聞こえてきたくらいです。マジでアイプラ6話でサニピと月ストのデビューライブに来てたオタクってこんな気持ちだったと思うんですよ。TIFのスマイルガーデンではサニピと月ストのお披露目が行われて、これが実質的なアニメ6話の再現でしたが、この構成のライブがアイプラと全く関係ないアイドルのデビューライブで行われたというのがめちゃくちゃ大事だと思うんです。何故なら、劇中でサニピと月ストのデビューライブを見ている観客達は「これはアイドリープライド6話の再現だ」という意識を持っているはずが無いから。本当の意味で劇中でサニピ/月ストのデビューライブを見ていた観客の心と、太陽と踊れ/月夜に唄えのライブを見た私の心が完全にシンクロして、この上ない高揚感に襲われてました。これ以上の経験はもう出来ないかも分からんね。挨拶の後には9人曲も披露されて「これじゃ本当にジェネリック星見プロダクションだよ!」となってました。 1つのグループがそのグループ内で2~3個のユニットを作ることってまぁあるし、その度に自分はなんだか損した気分になっていたのですが、元々1つのユニットとしてそれぞれが活動していて、2つのユニットが合わさって歌うという建て付けにすると一気に得した気分になります。この構造を考えた人めっちゃ凄くない?

という訳で、色々なことがありめっちゃ良いライブでした。現場に通うか…と言われたら通いませんが、ワンマンかSPR5との対バンがあれば行きたいかな。てか、次のSPR5のライブは?

IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First で披露された各楽曲に関連して色々話していくぞ!

ライブ後は纏まった感想としてポエムチックなものを毎度残しているのですが、やっぱり良いところがめっちゃあったので、それはそれでここに残しておこうと思います!

 

Fight oh! MIRAI oh!
1曲目にきて順当に雄叫びを上げてしまった…。
たむっ「攻めちゃうんだミライ Fight oh!」
僕「ふ"ぁ"い"!!!!!!!!」
当初からAメロ前のクラップとサビの振りコピが楽しい曲だったけど、声まで付けられるようになって最早無敵。今回は運良く隣が空席だったので気持ち伸び伸びと振りコピできて良かった。Dメロの声出しがめちゃくちゃ楽しくて「誰も(Fight!)これは(Fight!)止められない(Fight! Fight! Fight!)」から流れるようにケチャに移行できるのが構成として美しくて、なんというか楽曲で遊ぶことに対して真剣なのが好きすぎるんですよね。

 

IDOLY PRIDE
IDOLY PRIDEのライブに来て「IDOLY PRIDE」を聞くの、良すぎる…。マジで最近8周くらい回ってIDOLY PRIDEが一番良い楽曲だろ…って気分になってます。ヒーカーリートーカーゲヲーのところで指の形がそれぞれのユニットの形になるの好きすぎ。


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Blue sky summer/セカイは夢を燃やしたがる
高垣彩陽さんが産休明けのはずなのにめちゃくちゃ歌って踊ってるの正直ヤバすぎ!!

 

ひめごとリップ/realiser
TRINITYAiLE…エロすぎ!!!(最悪の感想)星見ちゃん達は歳下というのもあって割りと一線引きながら見れるのですが、トリエルは世代が近いのでホンマにアカン。しかも初日Iブロック後方で結構近い距離からトリエルを見てしまって本当にアカンて。ゲームでは見て麻奈ユニットになってるけど、現実も似たようなものやん!!!!良くない!!!良くないです!!!!

 

So What?/Top of the Tops
スリクス、めちゃくちゃ良いですよね。キャラ的にも音楽的にも今までのIDOLY PRIDEの足りないところを補ってくれてるような印象があります。スリクスは登場当初から性格最悪ユニットでしたが、やっぱり性格最悪ユニットを性格最悪のまま同じ事務所に入れたのがやっぱりめっちゃ好きなんですよね。少なくとも部活ものの文脈からアイドルを描く時って、仲間になる時に和解のようなステップを踏む必要があるのですが、そのステップを踏まずにキャラの加入が出来るのはお仕事の文脈でアイドルを描く作品の強みだよな!と最近よく思います。実装されてからも、積極的に関わろうともしないし星見プロのメンバーと目立って対立する訳でもないしでも陰口はちゃんと言うし、この距離感は好きだなぁと思います。音楽的にはリズノワと同じく低音が気待ち良いグループですけど、リズノワの楽曲はQ-MHzが作っているだけあって弦が主体のエロい低音という印象で、スリクスの方は打楽器主体の身体がクネクネしちゃうタイプの曲ですね(?)田中あいみさん、可愛すぎ!!!!!(やっぱ81プロデュースなんですよね)

 

Hi5でピースサイン
かんまいちゃん「みんなー歌ってー!」
???「新曲の初披露で歌えるわけないだろ!」
???「歌えるんすよね……」

 

EVERYDAY! SUNNYDAY!
God Song。IDOLY PRIDEで一番好きな曲。サニピの楽曲はピースを広げていく、みんなで作っていくというコンセプトを基にしているけど、この曲だけはちょっとニュアンスが違っている気がしていて、ファンがサニピの背中を押すというニュアンスが少しあると思います。サニピのメンバーにはそれぞれ思うように咲けなかった過去がある訳ですが、そんな子たちに向かって「そう絶対!」「大丈夫!」「せいいっぱい!」という言葉を投げかけて勇気付けるというか、背中を押す。EVERYDAY! SUNNYDAY!のコールからはそんな気持ちを感じるんです。

 

サマー♡ホリデイ
全部夏のせいにするの…、楽しすぎ! コールがまぁまぁムズい(というかちゃんと聞かないと適切なところで入れられない)曲という印象があり、ツアーで練度が上がっていくことに期待したい! コロナ禍でもライブはやってくれてたしどのライブも当然楽しかったんだけど、一番痛かったのはコールが生まれ廃れていく営みの中でお客さんの練度も上がっていくライブの醍醐味を中々経験できなかったことかもしれない!(そもそも声優コンテンツはライブの数が少ない!)

 

最愛よ君に届け
な、夏ここ……こは……相川くん……てゃ……たむ……。マジで良過ぎる。ライブで新曲を披露するのは大事で、何故かと言うと、円盤化した時にめちゃくちゃ嬉しいからです!!!!

 

The One and Only
God Song。IDOLY PRIDEで一番好きな曲。マジでなんか全然披露してくれなかったので聞けて超~~~嬉しい。アニメ11話ではイントロの終わりに客席から歓声があがるんだけど、これが好きすぎて1人で「Fu~~~!!!!」って言ってました。このアニメ再現をする為にあの日あの場所に居たと言っても過言では無い。密かに広まれ…広まれ…と思っている。

 

Shining Days
美少女回転寿司良すぎる!!!!!!
大将「お客さん、何握りましょう?」
???「ん〜、じゃあ…かんまいちゃんお願いします」
大将「ハイヨッ!かんまいちゃん一丁!」

 

voyage
サニピの中で誰が一番81プロデュースから来てるかと言われたら、やっぱりなおすだろ!というのがあります。81の公式アカウントが終演後にライブに出演した事務所のタレントを集めて写真撮るの良すぎ!!!!(voyageの感想は?)

 

No.1☆
アイプラが萌萌萌子さん捕まえてきたの偉すぎ!この調子で散々花嫁も歌ってほしい(?) 萌萌萌子さんと言えば天然という印象がありますが(シーパラコラボの時に好きな魚を聞かれて食べる方の好きな魚を答える)、自分の演じるキャラクターの解像度はちゃんと高かったのがちょっとギャップ萌子さんという感じでした。

 

サヨナラから始まる物語
God Song。これ聞かないとライブ追われないまである。幕張メッセはサイドにも客席があるけど、サヨナラは中央からサイドに広がっていくようなダンスが多くて、何が言いたいかと言うとサヨナラの時はめちゃくちゃ横を見てくれるのでよく目が合う!!!!はい!あの時しゅきなとたむっと目が合ったのは自分です!!!信じてください!!!! サヨナラのラスサビの振りがこっちに向かって手を振るなの良すぎるでしょうが(約束ぶり、2回目)

 

The Sun, Moon and Stars
踏み出す一歩は奇跡じゃない
戸惑いも迷いもまだ抱えたまま←良い歌詞すぎ

 

友達だよいつの日も
2日目、かんまいちゃんがソロで歌っている姿を隣に居るのんのんがずっと見つめてて僕がめっちゃ泣く回がありました。

 

終わり!

IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First によせて - 感想のような何か

2023年7月15日から2日間かけて行われた「IDOLY PRIDE VENUS PARTY The First」に両日参戦してきました。感無量…、感無量としか言えません。幕張メッセの客席は2Daysともしっかり埋まっていたし、何より演者のパフォーマンスも公演内容も会場の規模に見合う素晴らしいものでした。全部が全部、期待以上です。IDOLY PRIDE を好きでよかった、本当に。

ライブ会場が徐々に大きくなっていくという経験は滅多に出来ることではありません。娯楽が飽和している現代において、成功が約束されているコンテンツは存在していない筈です。誰だって良いものを届けたいと思っているし、実際にお客さんには良いものが届いている。そんなライブが世の中には沢山あるにも関わらず、大きくなっていくことは稀で、大抵は現状維持…終わる時には終わります*1。SMILE PRINCESS だって、SPR5 だって、Prizzmy☆ だってそうです。次のライブがある、また会えることは当たり前ではありません。熱心なプロモーションを行っていた事実はここでは棚に上げるとして、アイドリープライドが鳴かず飛ばずで終わる可能性もゼロではなかった訳です。例として挙げるには極端ですが、アニメの円盤イベントの視聴者数は推定300人程度でしたし、TIFのホットステージでは前方の席を巡って数百人で椅子取りゲームをしました。この時点では2年後に幕張メッセが埋まるなんて考えられません。それがどうでしょう、開演前にTwitterを見れば席がアリーナだスタンドだで盛り上がっています。感動しますよ…アイプラのライブで「アリーナ」や「スタンド」の文字を見ることになるなんて。遂にここまで来たかと感慨深くもなります。クサい言い方になりますが、あの頃から考えたらそれこそ*2奇跡のようなものです。

周りを見渡せばメインステージだけでなくセンターステージもあり、おまけにトロッコまである訳です。今まで幾度となくトロッコに乗る声優さん達を見てきましたが、この日のアイプラで見たトロッコほど忘れられない演出はないでしょう。ライブ会場が大きくなって近くから見られる機会が減ってしまったという気持ちに応えるべく、そのコンテンツが初めて行ったトロッコからしか得られない感動があります。これは既にトロッコ文化のある現場では手に入らない感情です。中野サンプラザでは1Fの最後列から彼女たちを見ていました、パシフィコ横浜ではギリギリ顔が認識できるくらいの距離から彼女たちを見ていました。トロッコに乗った彼女たちは、それこそ*3菅野真衣さんの144.5cmの身長を肌で感じられる距離まで来てくれました。近くに来てくれるというのは素敵なことです。

楽しかった、感動したところは無限にあって全ては書けませんが、それはライブ円盤で見返した時のお楽しみということにしておきましょう。待ってます。冒頭にも言いましたが、IDOLY PRIDE が好きで本当によかったです。この熱量が、素晴らしさが少しでも多くの人に伝わりますように。

*1:音沙汰がなくなる場合もあるので、ちゃんと終わるだけマシという話もあります

*2:それこそ警察、出動!

*3:それこそ警察、出動!

2023年春アニメの雑感

たまにはアウトプットをした方が良いというのがある。

 

・公爵邸
内容の知ってる小説の世界に転生したけど、普通に連れ去られたり殺されかけたり危ない目に遭ってて、特に小説の知識が生きてなかったのが新鮮で良かったかも。

 

・くまクマ熊ベアー
1期の内容全く覚えてなかったけど見れた。和氣あず未さんと富田美憂さんが萌えキャラをやってたのが良かった。

 

・君は放課後インソムニア
インソムニア、良インソムニアねぇ…。夜や星空のシーンが多いアニメだからか、雰囲気の良いアニメだなと思いました。途中から夫婦実習が始まったのがめっちゃ良かったです。(ふうこいが残した爪痕、デカすぎ。)

 

・アリスギア アイギス
ギャグやったりカオスな話をずっとやってたアニメが最後にしっかりシリアスをやり切るのが好きで、アリスギアが終盤シリアスにならなかったら確実に自分はアニメアリスギアのことを好きになってなかったと思います。アリスギアは1話の感触がとても良くて、高幡のどかが努力できる人間だということを描く一方で、周りの人に比べてアクトレスとしての才能を持っていないことをコミカルさを混じえて描きました。2話以降は1話とは打って変わってギャグ色強めな話になっていきますが、1話で描いた高幡のどかが持っていない側の人間であることから生まれる嫉妬や劣等感に最後しっかり向き合ってくれたのが、何と言うかとても嬉しかったです。中盤カオスな展開が目立つこのアニメにはひとえに自由だなという感想を抱いていたのですが、いま振り返ると1話のスポ根強めの話も終盤の真面目な話も含めて、このアニメが持っていた自由さの表れだったのだなと思いました。

 

異世界スマホ2
萌えがあって楽しくみれましたが、それはそれとして、達男リアデイルを経た自分としては、やはり柳瀬監督の異世界スマホ2が見たかったなという思いは未だ拭いきれません。ただ解散したA応援Pのメンバーを再度集めてOPを歌っているのは本当に良くて、なんというか数々のアイドルや声優ユニットが産まれては解散する現代を生きていると、たとえ自分がA応Pのオタクでなくても、こんなに喜ばしいことは無いだろという気持ちになります。

 

・スキップとローファー
2023年春、トップアニメーション。恋愛アニメの触れ込みでしたが、蓋を開けてみればもっと広く、人と人との関わり合いを満遍なく、かつ質感を伴って描いた作品でした。進学校を舞台にした作品だからか登場人物は年齢以上に大人びている印象があり、キャラクター同士の噛み合ったコミュニケーションが気持ち良かったです。自分は特に2話〜3話辺りのまだ美津未たちがまだ仲良くない頃の話が好きで、友達なのか友達でないのかも分からない、ふわふわした距離感の中にある気遣いや歩み寄りがとにかく優しくて、人と人との距離感が縮まっていく過程の描きぶりが非常に良かったです。作品全体を通して、何と言うか人付き合いというものが根本的に持っている可能性、一ずっと先の未来でも笑い合える仲になる人とのファーストコンタクトは今かもしれない一、を好意的に描いていたのにグッときました。

 

・久保さんは僕を許さない
DIALOGUE+がEDを歌っているアニメは大体名作の法則…?*1 私は実は高木さんが見れなかった側の人なのですが、久保さんは何故か楽しく見れました。一見普通の高校を舞台に物語が展開されているように見えますが、めちゃくちゃ背の低い謎の担任の先生が居たり、影が薄いとかじゃなくてそれは透明人間だろと言いたくなるエピソードが乱発され、何なんだよこのアニメは…という気持ちに何度もさせられましたが、振り返るとそれ自体がこの作品の持つ他に無い良さだったのかもしれません。こういうアニメって男のキャラがガツガツし過ぎてても、ナヨナヨし過ぎててもダメという難しい塩梅が求められますが、自分的にはそこに白石くんのキャラがバチッとハマってくれたなと思います。3話とか、11話がすごく良かったです。花澤香菜伊藤美来の姉妹関係が逆転していたのも嬉しいポイントの一つでした。

 

東京ミュウミュウにゅ~
2クール目の序盤は無印にないオリジナルの話が出てきて(ザクロさんとMVを撮る話とかかなり良かった)結構楽しめたのだけど、どうしても本筋の話をするとなると無印の継ぎ接ぎになってしまっていて、やっぱり残念でした。無印には50話以上の尺があり、その中で数々のエピソードが描かれ終盤の展開に繋がる訳ですが、にゅ〜には当然半分の尺しかありません。無印では描かれたけどにゅ〜では描かれなかったエピソードが多々ある中で、にゅ〜のキャラクター達はそのエピソードを踏まえた言動をしていた気がします。タルタル良い奴問題はその最たる例ですね…。リメイク作品の良くないところが出ちゃったなと思いつつも、東京ミュウミュウという作品を再び振り返る機会になったのは素直に嬉しかったというか、何だかんだ復活してくれてありがとうの気持ちは強いです。東京ミュウミュウ第52話『地球の未来に、ご奉仕するにゃん!』のエンドカードで語られた「またいつか!」という祈りを20年経ったいま見て、未来は分からないものだなぁと柄にもなく感傷的になるのでした。

 

アイドルマスターシンデレラガールズU149
自分はずっとラブライブの信者をやっていたので、宗教上の理由でアイマスのアニメは見ていなかったのですが、最近は信者という程でもなくなってきたので、始めてアイマスのアニメに触れました。とにかくビジュアルが良いのと、これがアイマスのアニメか〜という新鮮さをずっと感じていたので、最後まで楽しめました。が、それはそれとしてアニメとしての下手っぴさというか、上手いアニメを作ろうとし過ぎて空回りしてる印象はずっとありました。実は最終話はかなり好きなのですが、10話11話辺りのアニメとして盛り上がって見せ場となる回がどうにも良くなかったのは痛いです。U149は基本的にまずお仕事があって、それに従事するアイドルが居るという話をずっとやっていた訳ですが、10話で初ライブをするにあたってそこの構造すら崩してしまうのか…という、見せ場の割には突拍子もない作劇で肩透かしのように感じました。11話は単に要素の配置がイケてないという話で、大人と子供って意外と変わらないのかもという主張自体は好きな部類なのですが、露骨に大人ポジションに居るプロデューサーの上司やどう考えても子供にしか見えないU149のアイドルが多数居るのがあり、主張に説得力があったかと言われたら疑問です。ありす個人の話として見ると良いのですが、それがU149全体の主題のようにも描かれていて、結果としてアニメ全体として説得力が無かったように感じました。何だかんだアイドルコンテンツに身を置いている期間がある程度あると、自分の戦場はここだという自認が生まれて、こういう生真面目な見方をしてしまって良くないですね…。

 

・神無き世界のカミサマ活動
鬼頭明里さんがミタマ様みたいな声を出していると嬉しいんですよね。ロキが正体を明かすまでと後で面白さの性質が変わった気もしますが、何だかんだ最後まで萌えあり策略あり下ネタありで、楽しく見れました。

 

・私の百合はお仕事です!
陽芽と矢野のエピソードに関しては良いと感じた反面、アニメの演出はイマイチだなと感じました。コンカフェのホールという演じるべき場所で外面と本音が溶け合っていく展開は理解できるし良いシーンではあるのですが、それが周りのお客さんにお芝居として消費されていくことに言い知れぬ哀しさがありました。閉店後に仲睦まじく話してるのはめっちゃ良かったです…。後半の果乃子の話は順当に楽しめました。異常レズが居るとそれだけで楽しいですからね。果乃子と純加のギスギスが終わりを迎えて日常回っぽいお話で最終話をやり切ったのは一本のアニメとして纏まりを感じさせてかなり好印象でした。

 

異世界でチート能力を手に入れた俺は、現実世界をも無双する
Wake Up, Girls! 新章以来、久々にミルパンセ制作のアニメを見ました。相変わらずミルパンセ独特の絵柄で作られていましたが、何というかイセレベの雰囲気とミルパンセの絵柄がマッチしてたのが凄く良かったです。美形や美人をしっかり綺麗に描くアニメと、アゴ辺りがシュッとしている絵柄の相性が良くて、ミルパンセ制作だから感じられた味があったと思います。次回作も期待!

 

・勇者が死んだ
大根にニーソ履かせるのが良かった…!

 

・カワイスギクライシス
DIALOGUE+アニメは名作の法則*2(?)動物は確かに可愛いけどそれをアニメに起こしても可愛いとは限らないだろ…!というのが序盤の感想でそこまで楽しめてなかったのですが、伊藤彩沙富田美憂のキャラが出てきて掌を返しました。伊藤彩沙富田美憂…カワイスギ!どう考えても動物より萌えキャラの方が可愛いですが、そこも含めて最後まで楽しめました。

 

・BIRDIE WING -Golf Girl's Story-
2期も本当に面白かったですが、振り返ると面白さのベクトルが1期とは大分違っていたかな〜という気がしてます。1期はマフィアの抗争に賭けゴルフを持ち込んだ話が主でしたが、2期は運命に翻弄される子供たちのお話という印象でしたね。1期で築いた地盤や人間関係を用いて目まぐるしく話を展開していき、話が展開していくことそのものに面白さを感じさせる、雑に言ってしまえば黒田洋介さんらしいお話作りだったように思います。イヴや葵の生い立ちがどんどん明らかになっていく2期前半が特に好きでした。自分が誰かの継承者であることを血縁以外の繋がり(虹の掛かるスイング)で証明しようとする話には、こう上手く言えないけど普遍的な熱さがあるように思います。

 

・女神のカフェテラス
資産家(?)の老人やその孫など露骨な悪役を出して話を進めていく姿は今じゃもう時代遅れだなと思いつつ、でもやっぱり可愛い女の子たちと一つ屋根の下で生活するアニメって最高なんだよな…という当たり前のことを思い出させてくれるジャンクなアニメでした。紅葉や流星がヒロインレースに参加してからはまた一段と面白くなって、やっぱラブコメって女の子が主人公に惚れてからが本番だよな…!と、完全に私の頭はもうラブコメ脳です。ちなみにこのアカウントは月島流星さん一本でやらせてもらってました。萌えキャラ?


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江戸前エルフ
キンヨルを締めるに相応しいアニメでした。ほのぼのとした日常を描く中で時折り見える歴史や未来への眼差し、エルフと人間に流れる時間の違いが際立っていましたね。個人的には技術が発達し、この世界の現象の多くを科学で説明できるようになった現代で「祭」をすることの意味に焦点を当てていたのが何だか好きでした。今のお祭りのイメージが屋台や花火にある一方で、きちんと祭というものが祈りであることを描いていたのが唯一無二で良かったと思います。

 

・天国大魔境
画作りが凄かった回もあったけど、プロモーションも含めて全体的に続き気になったら原作読めよ読めよ〜感が強くて、そういうアニメって苦手なんだよなという気持ちになってました。ただ話として面白かったことも事実で…複雑な心境!

 

異世界ワンターンキル姉さん
序盤はかなりストレスフルでした。姉が強いというコンセプトは良いにしても、姉の成果が自分に降り掛かってきて実力以上の扱いを受けてる(しかもそれはギルドでは重罪)というのが常に付き纏って気持ち良くは見れないアニメでした。中盤からは少し和らいで、弟の実力を認めて一歩引いたところから見守る真夜姉と、徐々に肩書きに実力が追い付いていく朝陽くんを見ていくのが楽しみなアニメになってくれました。真面目にこういうアニメに順応できた時がアニメ見ていて本当に嬉しい瞬間だなと思います。和氣あず未さんがここでも萌えキャラを演じていて良かったです。

 

・山田くんとLv999の恋をする
少女漫画原作らしいですが、水瀬いのり加隈亜衣が萌えキャラをやっていてとても見やすかったです。茜っちも山田も良いキャラしてて、ラブコメが熱いクールの一角をしっかり担ってくれていたと思います。特に山田はこんなん男でも好きになるやろ!(?)みたいなキャラクターでしたね。バレたか…の破壊力は今期一だったかも。

 

異世界転生は二度目です
1話が抜群に良くて、2023年10選に食い込むくらいのエピソードだったのですが、徐々に徐々にこのアニメに乗れなくなっていったのは悲しかったです。別に全体を通してつまらなかった訳ではないのですが、右肩下がりのアニメはどうしても右肩上がりのアニメよりも心象が悪くなってしまいますね。異世二度には元々異世界に居た人たちはセツとの再会を喜ぶ一方で、セツと一緒に召喚された側からすると全く知りえなかった異世界でのセツを知っていくという話の構造が1話にはあって、それがとても良かったのですが、2話以降では後者のエピソードが語られなかったので、自分との噛み合いは悪かったなと思いました。

 

・青のオーケストラ
2クール目あるの嬉しすぎ!

 

・事情を知らない転校生がグイグイくる
2023年春クール、トップアニメーションの一角。小学生のちょっとやり過ぎなくらいのからかいから物語が始まり緊張感がありましたが、4話で姿勢を正され、7~8話の頃には完全に打ちのめされてました。味玉回→骨折回→運動会辺りの盛り上がりが異常でしたね。作風として、小学生のキャラクターを描くことに真剣というか、自覚的だったと思います。まだまだ彼らは未熟で、この感情が恋なのかも、自分の未来についても分からなくて、想像することだって出来ない。そんな無垢さに尊さを感じずには居られないのが、我々大人というものなのかもしれません。

 

・ワールドダイスター
IDOLY PRIDEでお馴染み、新進気鋭の木野目優監督の最新作。アニメIDOLY PRIDEが大好きな身としては、木野目監督のフィルムと再び相見えることができて嬉しい気持ちがありました。シリウス入団試験の時に履歴書を見たり、夏休みの宿題をやったり、真面目なシーンで急に笑えるような台詞をぶち込んだり(あんな人居たっけ…?)、節々にアイドリープライドイズムを感じさせる場面があり、木野目監督の作家性を再び定義する良いアニメでした。ストーリー自体も面白かったですが、1周見ただけでは分からなかった、拾い切れなかったなと感じている部分もあり、MX、テレ東、BS日テレで無限に再放送をすることが待たれます。萌えリナ、ガチで萌え。

 

・転生貴族の異世界冒険録
王のアニメ。いや2023年春トップアニメーションの一角なのは間違いないけど、それ以上に王様が居ないと成り立たなかったんじゃないかというくらい王様が良いキャラしてたアニメでした。神に必要以上の加護を与えられた結果やりすぎてしまい、色んな人から怒られるところが転生貴族の序盤の見どころの一つになっていますが、これが中終盤になるにつれて、カインがどれだけ人間離れしようとも、神の使徒になろうとも変わらずに叱ってくれる人の暖かさを感じられるシーンになっていったのが本当に上手かったと思います。テレス嬢やシルク嬢などの可愛い女の子だけでなく、王様や宰相、父親までみんな暖かく愛嬌のあるキャラクターだったのがカイン君自身が持ったこの世界を守りたいという動機に説得力を持たせていたと思いますし、お陰で最後まで余すことなくこのアニメを楽しめたような気がします。内田彩さんがOPを歌っているのは…めちゃくちゃ良い!

 

終わり!

*1:骸骨騎士様…?恋は世界征服のあとで…?

*2:超人高校生、友崎くん、ひげひろ、連れ子…等名作揃い。