ギャン・バギャム・ソルドン

一打粉砕に怒喝の心力を込め、万物を叩き割る剛剣の刃を生み出さん

人生上り坂下り坂、でもやっぱり俺は… ~虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 第8話のインプレッション~

虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会第8話を見たので、簡単に感想を綴っておこうと思います。

今回もめっちゃ面白かったですね。特に演出に力が入ってました。舞台の上でのやり取りをしずくの心象描写として使っていたのが印象的で、この8話の演出が1~7話に比べて凝っていたこと自体が、同好会の中の桜坂しずくというキャラクターの特徴を表しており、この構造がメタ的に面白くてまず好きです。教室で一人、机に突っ伏しているしずくちゃんにのみ光が当たっている演出は、自分の中の本当の自分と言われるものが中々出ないことを端的に表す表現でした。舞台の上で白しずくと黒しずくが交わり衣装が分かる様子は、1stライブの前田佳織里さんの早着替えを想起させ、やはり今までの虹ヶ咲の歴史とアニメのシーンが重なる瞬間に嬉しさを覚えました。

さて、お話の方はかなり不思議な話だったという印象です。しずくちゃんは最後『本当の私を見てください』と言いますが、かすみんに見せた意地っ張りな面も自信が無い面も、舞台の上のしずくちゃんは見せてくれません。白しずくと黒しずくが交わるシーンも、『偽りの自分』である白いしずくが『本当の自分』の一部分である黒しずくを取り込み一体化していくようで印象的です。結局は『自分を曝け出す人』を演じていると解釈できると思います。(でもきっと中須かすみにだけは素直な表情を見せる桜坂くんなんですよね)

ですが、そこが桜坂しずくというキャラクターの面白いところだなと思います。と言うのも、先日しずくちゃんキズナエピソードを読みましたが、これが面白くかつ、アニメの補助線になっているような感覚があります。キズナエピソードは、自分を見失いかけていたしずくちゃんが、『演じることが好き』という気持ちを再確認し、自分の目指す最高のスクールアイドルを演じようと決める話です。キズナエピで描かれた、しずくちゃんの演じることへの拘りと、アニメの本当の自分を実は見せていないともとれる結末には噛み合うところがあり、キズナエピソードを読む前と後ではアニメの捉え方が180度変わりました。この解釈の不安定さは割と好きで、桜坂しずくというキャラクターに奥ゆかしさを感じる一因です。

そんな訳でまた次回。しずかすは伝説、聖域、聖典…宇宙にも等しき生命の源ですわ~!

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